11カ国のTPP大筋合意で政府が声明-市場アクセス拡大や対外関係強化が参加意義-

(マレーシア)

クアラルンプール発

2017年11月17日

米国を除く11カ国による環太平洋パートナーシップ(TPP)協定の大筋合意(11月9日)を受けて、マレーシア国際貿易産業省(MITI)は11月11日、声明を発表した。マレーシアが同協定に参加することの意義として、カナダ、ペルー、メキシコへの市場アクセスの拡大、参加国および参加関心国との貿易・投資関係の強化を挙げている。名称を「包括的および先進的な環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)」と変更した同協定は、6カ国が国内手続きを終えた後、60日以内に発効する。

3点の参加理由をコメント

MITIは、ベトナム・ダナンで大筋合意された米国を除く11カ国によるTPP協定について、11月11日に声明を発表した。その中で、ムスタパMITI相は以下のとおり、同協定への参加の意義についてコメントした〔マレーシア国際貿易産業相プレス発表(11月11日付)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)参照〕。

(1)マレーシアとしては米国抜きでも、これまで自由貿易協定(FTA)を締結していないカナダ、ペルー、メキシコへの市場アクセスから得られる利益の方が、参加各国に対して譲歩するコストよりも総じて勝っていると信じる。

(2)包括的および先進的な環太平洋パートナーシップ協定(CPTTP:Comprehensive and Progressive Agreement for the TPP)への参加は、マレーシアがグローバル経済や多国間貿易主義に積極的に関わっていくことの証しだ。

(3)自国が参加せず、他の10カ国がCPTTP交渉を進めた場合の影響を考慮したが、もし参加しなかった場合は当該10カ国との貿易・投資関係を強化する機会を失うのみならず、将来的にCPTTPへの参加に関心を持つ諸国との関係も失ってしまうと判断した。

国有企業に関する項目は凍結に向け継続交渉に

CPTPPでは、米国の離脱を受け、マレーシアが高い関心を寄せるバイオ医薬品、特許期間調整、著作権などを含む20項目が凍結された。そのほか、凍結に向け署名日までに継続交渉を行う4項目のうち1つに、マレーシアの国有企業に関する項目が該当している。

CPTPPは参加国の半数以上に当たる6カ国において国内手続きが完了した後、60日以内に発効する。

(田中麻理)

(マレーシア)

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