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闇市場は存続、合法的購入避ける動きも-外貨売買自由化から1カ月(2)-

(ウズベキスタン)

タシケント発

2017年10月03日

外貨売買が自由化されても、国民のドル需要が十分満たされているわけではないようだ。外貨購入額には上限が設定されており、外貨口座の手数料やデポジット(預託金)なども発生する。法人の外貨購入時には事業内容などの情報開示も求められるため、合法的な外貨購入を避ける動きもあり、闇市場は依然として存続している。連載の後編。

企業は銀行での情報開示を忌避

外貨売買の自由化によって個人や法人のドル需要が十分満たされているかというと、現時点では必ずしもそうとは言い切れない。個人のドル購入は現金ではなく外貨デビットカードへの入金というかたちでのみ可能だ。カードの入金額上限について複数の商業銀行にヒアリングしたところ、いずれの銀行も中央銀行の指示により一個人、四半期当たり5,000ドルまでとなっている。A銀行口座のカードに5,000ドル入金すれば、B銀行口座のカードを持っていても入金できない仕組みだ。

外貨デビットカードを利用する場合、口座開設料のほか引き出し手数料、口座維持手数料、引き出し不可のデポジットなどの諸経費が発生する。インターネット情報サイト「uz24」(9月12日)によると、これらの諸経費を考慮すると、現状の公定レート8,092.13スム(12日)で換算すると、1,000ドルをカードにチャージする場合、1ドル当たり8,419.93スム(デポジットを含む)が必要だという。このように、デビットカードは必ずしも国民にとって使い勝手の良いものではないが、日用雑貨などを中国や韓国、トルコなどで買い付け、バザールで販売する貿易商を中心に根強いドルの現金需要があることから、闇市場でのドル売買は当面継続するとみられている。

一方、不用なスムは銀行窓口で、窓口での両替レシート、入国時の税関申告書、パスポートを提示すれば、ドルに買い戻すことが可能となった。外貨売買自由化以前は窓口でスムを購入する際、ドルに買い戻しはできないと口頭で説明があった。外国人旅行客や出張者が余ったスムをドルに買い戻せるのは朗報だが、あくまでも窓口でのスム購入額が限度となるので国民のドル需要を満たすには程遠い。

複数のウズベク人ビジネスパーソンにヒアリングしたところ、自由化後、法人が銀行で外貨を購入することはまれだという。その背景には、銀行でのドル買い時の情報開示を忌避する心理がある。輸入企業が銀行で外貨を購入する場合、銀行に輸入契約書を提示し、税関に新公定レート換算の輸入税を支払う必要がある。正規の関税を支払わない「グレー通関」が恒常化していた企業にとって、事業活動が当局に対してガラス張りになればコストの上昇や当局の介入を招きかねないリスクにつながるためだ。

航空料金は外貨建て新公定レート換算スム払いに

自由化後も、日用品や食料品は輸入品、国産品を問わずほとんど値上がりしていない。ネスレの国産牛乳が7%ほど値上がりしたが、自由化に伴う公定レート切り下げとの関係は不明だ。市民の間にも買い占めなどの動きは見られない。商品やレストランの価格は長らく市場レート(闇レート)にリンクしており、公定レートの切り下げによる見直しはほとんど行われていないからだ。

航空料金はいずれの航空会社についても国民、外国人を問わず、また行き先にかかわらず一本化された。外貨建て基本料金の新公定レート換算スム払いとなる。国営ウズベキスタン航空の場合、ウズベク人向け航空券は従来、外貨建て基本料金の市場レートに近い独自のレート換算によるスム払いだった。このため自由化前後で料金体系に大きな差はないが、外貨換算の利益は大きく目減りすることになる。

ホテルでは1月以降、外国人はスム払いが禁止され、クレジットカードかドルの現金払いのみとなっていたが、9月5日以降、外国人はドルの現金払いができなくなり、新公定レート換算によるスム払いもしくはクレジットカード払いとなった。なお、国民についてはドル建て基本料金の旧公定レート(4,210.35)換算スム払いとなっている。

(下社学)

(ウズベキスタン)

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