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日系製造業の賃上げ率は4.5%-2017年度のJCC賃金労務実態調査-

(タイ)

バンコク発

2017年10月31日

バンコク日本人商工会議所(JCC)の「2017年度賃金労務実態調査」によると、在タイ日系企業は製造業で4.5%、非製造業で5.0%の賃上げを予定していることが分かった。経営上の問題点としては4割近い企業が「総人件費の上昇」を挙げている。


賃金・賞与とも「増やす」が上回る

JCCが会員企業を対象にアンケート調査を実施してまとめた「2017年度賃金労務実態調査」によると、在タイ日系企業のうち2017年度の賃上げ率の中央値は製造業で4.5%、非製造業では5.0%となり製造業の賃上げ率を上回った(図1参照)。なお、ここ10年ほどの在タイ日系企業の賃上げ率は一部を除きおおむね5%程度で推移している。

同調査によると、2017年度の賃上げ率を「前年度より上げる」と回答した企業は製造業で26.7%、非製造業で25.0%、「前年度より下げる」は製造業・非製造業ともに14.3%となり、賃上げ率を「上げる」企業の方が多かった。さらに、2016年度は賞与の支給月数の中央値が製造業で3.4カ月、非製造業では2.5カ月だったが、この支給月数を「増やす」と回答した企業は製造業で29.6%、非製造業で18.2%なのに対し、「減らす」は製造業7.5%、非製造業9.6%で、賃金・賞与とも「増やす」企業が上回った。

図1 在タイ日系企業の賃上げ率の推移

日系企業は「総人件費の上昇」を懸念

また同調査によると、在タイ日系企業の経営上の問題点として、37%の企業が「総人件費の上昇」と回答している(表参照)。タイ市場が成熟化するに伴い成長が限られる中、多くの在タイ日系企業は競争の激化に直面し、そもそも人件費が高いバンコク周辺の日系企業を中心に、総人件費の上昇を懸念しているとみられる。その半面、エンジニアやマネジャーといった高度人材が不足する中、賃金上昇を抑制するとジョブホッピングが発生するリスクもあり、人件費の抑制に踏み切れないという状況もある。また、タイ社会の高齢化に伴い人手不足が深刻化する可能性もあり、それがさらに人件費を押し上げることも考えられ、在タイ日系企業は、総人件費の抑制と成長力を維持するため人材確保に取り組むという2つの課題を抱えている。

 表 在タイ日系企業の経営上の問題点(複数回答可)

バンコクとその他地域で大きい賃金格差

一方、タイは所得の地域間格差が大きい。タイ中央銀行によると、労働者の2016年の平均月額賃金(残業手当、ボーナス、福利厚生費を除く)は1万3,729バーツ(約4万6,700円、1バーツ=約3.4円)となったが、これを超えるのはバンコク都市圏(2万211バーツ)のみで、中央部(1万3,080バーツ)、東北部(1万1,718バーツ)、北部(1万1,097バーツ)に続いて一番低い南部(1万1,080バーツ)は、バンコク都市圏の2分の1程度となっている。(図2参照)。

図2 タイの全業種の地域別平均賃金(2016年)

さらに製造業に絞ってみると、2016年バンコク都市圏の平均月額賃金は1万8,898バーツとなり、中央部(9,377バーツ)、南部(6,630バーツ)、東北部(6,009バーツ)と続き、一番低い北部(5,964バーツ)はバンコク都市圏の3割ほどにとどまる(図3参照)。

図3 タイの製造業の地域別平均賃金(2016年)

このように、バンコク都市圏とその他の地域では同業種であっても賃金格差が大きく、特に日系企業が集積するバンコク都市圏の月額賃金は、他の地域と比べてかなり高い。

(阿部桂三)

(タイ)

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