瀋陽で初めて日中企業商談会を開催

(中国)

大連発

2017年10月11日

ジェトロは9月13日、遼寧省商務庁、中国銀行遼寧省分行をはじめ日本の地方銀行や自治体事務所と共催で、同省の省都・瀋陽市で初となる「遼寧省中日商談会」を開いた。約100社の出展日系企業に対し、約500社の中国企業が来場し、計1,300件の商談が行われた。

遼寧省での日系企業の内販拡大を支援

遼寧省は2016年の域内総生産(GRP)成長率が前年比マイナス2.5%、2017年上半期も前年同期比2.1%と全31省・自治区・直轄市の中で最低となり、経済減速が懸念されている。一方、進出日系企業の中国における内販拡大意欲は高く、ジェトロは日系企業の遼寧省における内販拡大支援を狙いとして「遼寧省中日商談会」を共催した。

開会式で遼寧省の王大偉・副省長は「日本は遼寧省にとって最も重要な貿易パートナーの1つ。今回の商談会を通じて、日系企業と遼寧省企業の商談・協力のプラットフォームを構築し、双方がより広い範囲で深く協力することを促すとともに、日本企業と遼寧省企業が双方にとってプラスの関係を構築することを願う」と述べた。王副省長によると、2016年の遼寧省の対日貿易総額は前年比7.0%増の840億5,000万元(約1兆4,289億円、1元=約17円)、2017年1~7月期は前年同期比18.1%の552億9,000万元となるなど、対日貿易は好調だという。

続いて開会あいさつを行った在瀋陽日本総領事館の石塚英樹総領事は「総領事就任以来、遼寧省の多くの指導者、有識者、経営者から日本企業の進出や日本との経済協力の強化を求める声を聞いている。中央政府の東北振興策を背景に、遼寧省の発展戦略の中で日本との協力がたいへん強く意識されている」と述べ、商談会開催による日中企業間の協力強化に期待を寄せた。

商談1,300件、販路開拓に手応え

商談会は、出展した日系企業から事前に提示されたニーズに基づき、中国企業と個別に実施した。約100社の日系企業に対し、省内各都市から約500社の中国企業が来場し、計1,300件の商談が行われた。日系企業の内訳は約7割が工業製品、2割がサービス業関連、残る1割が食品関連企業だった。日系企業からは「これまで北京市や遼寧省大連市で開催される商談会に参加してきたが、今回瀋陽市で新たな取引先を開拓できた」「多くの企業と商談したことで自社製品の市場調査ができた」という声が上がったほか、今後の定期的な開催を望む声も多く聞かれた。

大連でも2つの商談会が開催

同商談会後に、同省大連市内でも2つの商談会が開催された。9月15日には、日本の地方銀行17行と大連市人民政府が合同で開催した「2017大連-地方銀行合同ビジネス商談会」が、9月15~17日には、中国国際貿易促進委員会と大連市人民政府による「2017(第9回)大連日本商品展覧会」が開催された。短期間で効率的に自社製品・サービスの販促を行えることから、これらの商談会に出展する企業もあり、日系企業の中国市場開拓への意欲と期待の大きさがうかがえた。

写真 「遼寧省中日商談会」における商談の様子(ジェトロ撮影)

(匂坂拓孝)

(中国)

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