ビザ取得費用を大幅引き下げ-日本からの訪問が対象、3年有効のマルチに-

(サウジアラビア、日本)

リヤド発

2017年09月20日

日本からの訪問に必要な査証(ビザ)取得費用が、9月10~11日の河野太郎外相のサウジアラビア訪問を契機に大幅に引き下げられた。発給されるビザは3年間有効のマルチビザ(数次ビザ)となった。シングルビザは発給されないという情報もある。

国王訪日時にビザ発給の協力覚書に署名

2016年10月に、日本からサウジアラビアを訪問する際のビザの取得費用がシングルビザ(90日間滞在可能)2,000サウジ・リヤル(約6万円、1リヤル=約30円)、6カ月数次ビザ3,000リヤル、1年マルチビザ5,000リヤルに引き上げられ、また、実際に取得した企業によると2年マルチビザが9,000リヤルと高額だったことから、日本とのビジネスの支障となると懸念されていた。今回の引き下げは、3月にサルマン国王が訪日した際に、両国が「訪問査証の発給の円滑化に関する協力覚書」に署名したことを受けたもので、サウジ側では8月の閣僚会議で承認され、運用開始が待たれていた。

今回の措置により、ビザは有効期間が原則3年のマルチビザ(ただし、日本国籍保有者で、その間有効なパスポートを保持している必要があり、1回につき滞在期間は最長90日間)となり、取得料金は6,000円(為替により変動があるもよう)となった。

また、サウジ人が日本を訪問する際のビザも、期間・料金(190リヤル)においてほぼ同条件となった。

シングルビザは発給されないとの情報も

しかし、3年間有効のマルチビザ発給に伴い、シングルビザは、政府関係者の訪問のため以外は発給されなくなったとの情報もある。また、9月11日以前の招聘(しょうへい)状や取得した査証許可番号は無効となり、3年有効のマルチビザの許可番号を取得し直す必要があるとのことだ。

なお、3年間有効のマルチビザの種類は以下のとおり。

(1)商用ビザ(Commercial Visit)

(2)労働ビザ(Working Visit)

(3)ミッションおよび団体ビザ(Mission and Organization Visit)

(4)家族訪問ビザ(Family Visit)

(5)ビジネス訪問ビザ(Businessman Visit)

(星出純江)

(サウジアラビア、日本)

ビジネス短信 5ea783ae57f100eb