日印企業連携のアフリカ市場開拓に期待-交流会を東京で開催-

(インド、アフリカ)

ニューデリー発

2017年08月18日

日本とインドの企業が連携して、アフリカ市場でビジネス展開する動きが出始めた。両国政府はこの流れを加速させるため積極的な支援を表明しており、ジェトロは7月に東京で両国企業を招いた交流会を開催した。互いの強みを生かしたアフリカビジネスの拡大に期待がかかる。

インド企業11社と日本企業約30社が参加

豊かな人口を持つアフリカには、中長期的に市場としての大きな可能性がある。特に東アフリカはインド人のネットワークが強く、インドを輸出拠点として活用する日系企業は、日本とインドが連携してアフリカ市場を開拓しようとするビジネスに注目している。

こうした中、インド外務省のニーナ・マルホトラ東南アフリカ局長が、アフリカ開発に向けた日印協力についての政策協議のために訪日した。ジェトロはこの機会を捉え、7月31日に東京で「アフリカビジネスにおける日本/インド企業連携」企業交流会を開催した。インド企業11社(表参照)、日本企業約30社が参加した。

表 交流会参加のインド企業一覧

本交流会は、2017年3月のアフリカビジネス開発への日印企業協力セミナー(ニューデリー、2017年4月18日記事参照)、5月のアフリカ開発銀行の年次総会でのセミナー(グジャラート州ガンディナガル、2017年6月14日記事参照)に続く取り組みで、交流会では初めて個別商談も試みられた。

協業の可能性ある分野は多岐にわたる

交流会であいさつした経済産業省の吉田泰彦通商交渉官は「日印企業協業の可能性は、インフラ、通信、人材開発など、多岐にわたる。積極的な交流を期待したい」と述べた。また、マルホトラ局長は「アフリカの19カ国のGDP成長率は5%を超えており、市場は着実に成長している。この商機を捉え、アフリカ開発、新規ビジネス開拓を進めるためには、民間企業の参画が必要不可欠だ」とした。日印企業の合弁や、日本企業のエンジニアリングパートナーとしてのインド企業の参画を提唱するとともに、インド企業の活動を日本が金融面で支援することなどへの期待も表明した。さらに、日印の開発金融や、世界銀行およびアフリカ開発銀行の融資スキームの活用を呼び掛けた。

国際協力機構(JICA)アフリカ部アフリカ第1課の井上雄貴調査役は、日本政府が参画するケニアのモンバサ経済特区(SEZ)開発構想について、「モンバサ港は、東アフリカのゲートウエーとして、ケニアのほかウガンダ、ルワンダ、ブルンジなど周辺国へのアクセスにも優れており、JICAがSEZ開発のマスタープランを作成し、港のバースや加工地域などのインフラ開発支援に当たっている」と説明した。

交流会に参加した日本企業からは、将来のパートナーとなり得る有力企業が一堂に会し、コンタクトを持てる機会だとして評価する声が聞かれた。一方、インド企業からは具体的な商談の成果を期待する声も寄せられた。ジェトロでは引き続き、両国でさまざまな機会を用意する予定だ。

(古屋礼子)

(インド、アフリカ)

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