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日EU・EPAの大枠合意を受けセミナー開催

(EU、日本)

欧州ロシアCIS課

2017年08月09日

日EU経済連携協定(EPA)が7月6日に大枠合意したのを受けて、ジェトロは7月31日、合意内容と企業にとっての意義をテーマに、東京でセミナーを開催した。最前線で交渉に携わった外務省と経済産業省から合意内容の概要や同EPAの意義について、ジェトロからは新たなビジネス機会への期待について説明した。企業関係者ら203人が参加した。

世界に向けた保護主義への対抗という強いメッセージ

初めに外務省欧州連合経済室の大塚和也室長が、日EU・EPAの大枠合意の概要と政治的意義などについて、「EUは世界のGDPの約22%、日本との貿易関係でも輸出入総額の約10%を占める重要なパートナー。EU側も同EPAによる貿易促進効果を期待している。また、世界的に保護主義が台頭する中で、G20の直前というタイミングで大枠合意の宣言ができたことにより、世界に対し強いメッセージを打ち出せたという意味で政治的に大きな意義がある」と解説した。

合意内容の詳細について大塚室長は、外務省ウェブサイトに掲載のファクトシートPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に基づき、最大の関心である物品市場アクセスの日本側の関心品目(自動車、電子機器など)、EU側の関心品目(豚肉、ソフト系チーズなどの農産品)の扱いについて解説し、その他酒類については、同EPAにより日本からEUへの輸出拡大のチャンスが広がると期待できると強調した。また物品市場アクセス分野以外でも、地理的表示(GI)、政府調達、サービス、投資、電子商取引などの幅広い分野で合意に至ったと述べた。

なお大塚室長は、全ての条文がまとまったわけではないとして、今後も引き続き精力的に交渉を続けて早期にテキストを固めていきたいとした。今後の交渉については、EU側が独自の「投資裁判所制度」の導入を主張する投資家対国家の紛争解決(ISDS)について引き続き議論が必要なこと、また電子商取引分野に関連して、個人情報保護については欧州委員会の司法総局および日本の個人情報保護委員会の間で議論を行い、相互に保護レベルが十分だとした段階で双方向へのデータ移転を認めることが、両首脳の共同宣言で発表されたことを紹介、同宣言では目標時期として「来年の早い時期」と明言されており、協議の進展が期待されると補足した。

工業製品では相互に高いレベルの関税撤廃

次に経産省通商政策局の山口仁経済連携課長が、同省ウェブサイトで公表している「工業製品に関する大枠合意結果についてPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」に基づき、主に物品市場アクセス分野における工業製品の合意内容を品目ごとに説明した。

工業製品全体の自由化率について、EU側は即時撤廃率81.7%、最終的に100%の関税撤廃率を達成、日本側は即時撤廃率96.2%、最終的に100%の関税撤廃率を達成することをアピールした。双方の即時撤廃率の差異については、日本の市場がもともと世界にオープンであり、7割程度が無税であるのに対して、EUは無税品目の割合が3割程度であるため、EU側の無税割合が一気に上がるという意味でEPAの効果は非常に大きいと説明した。

日本から1兆円を超える輸出規模があり、交渉の主品目だった自動車については10%の関税が8年目に撤廃されるとした。二輪車(日本からの輸出規模1,000億円弱)については、500cc以下が6年目撤廃、500cc超は4年目に撤廃されるとした。また自動車部品についても、日本の自動車産業は欧州での現地生産も進んでいることから、自動車と同様に重点的に交渉を行った結果、92%の即時撤廃率となり、これは韓国などEUが他国と締結する自由貿易協定(FTA)と比較しても高い数字だと成果を強調した。

欧州進出日系企業の間でも高まる期待

続いて、ジェトロ海外調査部欧州ロシアCIS課の田中晋課長は日EU・EPAの効果として、同EPAが発効した場合、日本の貿易に対するFTAカバー率が10%程度上昇して34.4%となり、EUでは33.8%に高まるとした。そのほか日本とEUの貿易上位品目と関税率を挙げて主要品目への同EPAのインパクトを説明するとともに、最大の輸出品目である自動車および関連部品のEU向け輸出および現地進出の動向や、同EPA大枠合意に関する関係各国の反響、ジェトロの取り組みについて紹介した。

日EU・EPAに対する日本企業の期待については、毎年ジェトロが実施している欧州進出日系企業実態調査を取り上げ、「メリットが大きい」と回答した企業の比率は2016年調査で大きく増加し、その理由としては、関税引き下げ、市場アクセス改善、その他ビジネス機会の拡大などが挙がったと述べ、現地進出日系企業の日本からの調達率をみると、製造業で3割、非製造業で4割に上り、関税引き下げの効果は大きいとした。

最後に、ジェトロでは特設ページを開設し、関係する海外各国の同EPAに対する見方や、中小企業の欧州ビジネス事例を紹介するなど、同EPAに関する情報提供を行っていると紹介した。

なお、各分野の合意内容の概要および物品市場アクセスの主要品目の合意内容については、政府ウェブサイトで参照できる。

(根津奈緒美)

(EU、日本)

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