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バルニエ首席交渉官、英国に明確な姿勢を迫る-ブレグジットの第2回交渉が終了-

(EU、英国)

ブリュッセル発

2017年07月21日

欧州委員会のミシェル・バルニエ首席交渉官は7月20日、英国のEU離脱(ブレグジット)をめぐる第2回交渉を終えて記者会見に臨み、交渉の進捗状況に不満を漏らした。EU側が最も重視する「双方市民の権利保護」についての見解の相違は、交渉作業部会が論点表を作成して調整を試みたが、この溝が埋まるには相当の時間がかかる見通しだ。対EU債務履行の問題と同様に、バルニエ首席交渉官は英国政府に具体的な対応を迫る姿勢を強めている。

英国側の協議姿勢に苦言呈す

6月19日に行われた第1回交渉(2017年6月20日記事参照)に引き続き、ブレグジットをめぐる第2回交渉が7月20日、ブリュッセルで4日間にわたった日程を終えて閉幕した。7月17日の欧州委のバルニエ首席交渉官と英国のデービッド・デービスEU離脱相の会談をはじめ、調整官会合や、双方市民の権利保護、財政問題、その他の課題の3作業部会の会合が実施された。

バルニエ首席交渉官は交渉終了後の記者会見で、「第1回交渉(6月)は交渉体制・方法についてだった。第2回(今回)は双方の立場についてのプレゼンテーションに終始した」とし、これまでの協議状況を解説した。また、バルニエ首席交渉官は「英国の明確なスタンスの表明があれば、何について合意でき、何について合意できないのか、今回の交渉で特定することができたはずだ」とも述べ、英国側が本質に立ち入った議論を避けたことを示唆した。

EU市民の権利保護について半数の論点では見解一致

交渉作業部会は、EU側が最も重視する「EU市民の権利保護」について、詳細な論点表を作成して交渉に臨んだ。EU司法裁判所(CJEU)の管轄権などを除いて、「EU市民の権利保護」に関連する48の論点のうち22については、EUと英国で見解の一致をみたが、「今後の調整・検討を要する」ものが10、「見解の対立がある」ものが14も残っている(残る2つの論点は今後協議予定)。「見解の対立がある」論点としては「婚姻や出産を通じて英国のEU離脱以降に家族構成員となる者の(双方での)法的地位」などがあり、双方の主張の溝が埋まるには相当の時間がかかるもようだ。

他方、「財政問題」について、バルニエ首席交渉官は「英国政府は先週、ブレグジット以降もEUに対する債務履行義務が存在することを認めた」ことに言及。「義務を認めたことで、問題解決に道筋が付けられる」とコメントした。また、「この債務履行をどのように進めるかについて英国政府の姿勢を明確にすることが、十分な進捗を実現するカギになる」「英国が債務支払いに応じることが秩序あるEU離脱の前提」とし、この論点について、英国政府に具体的な対応を迫る姿勢を示した。

北アイルランド国境問題で英国側の出方をうかがう

北アイルランド国境問題については、1998年4月に北アイルランド問題の和平プロセスに道筋を付けた「ベルファスト合意(聖金曜日協定)」や、「共通旅行区域(CTA)」の視点での影響について、協議が初めて行われた。ここではアイルランドと北アイルランド(英国)の南北協力の継続努力が必要なことで一致したが、バルニエ首席交渉官は「ブレグジット以降も英国側に南北協力を継続する意思があるかが重要」としている。また、CTAについても、ブレグジット以降も英国側がどのように持続させようとしているのか、「次回(第3回)交渉で立場を明らかにすべき点について合意した」という。

(前田篤穂)

(EU、英国)

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