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水産品輸出額の65%がEU向け-英国のEU離脱と漁業問題(2)-

(英国、EU)

ロンドン発

2017年06月23日

EUの共通漁業政策(CFP)への不満から、国民投票で英国のEU離脱(ブレグジット)を選択した漁業関係者は多かったとみられるが、英国は水産物と水産加工品の4分の3を輸出し、輸出額の65%はEU市場向けだ。離脱後の水産品の対EU輸出に関税が課されることになれば、大きな打撃となる。

入超の水産物貿易、対EUは出超

英国の漁業従事者は2015年時点で1万2,107人、水産業の総付加価値は6億400万ポンド(約858億円、1ポンド=約142円)で、英国のGDPへの貢献度は0.05%程度と小さい。しかし、英国沿岸の地域社会にとって水産業は「社会的、文化的、経済的に大変重要な役割を担っている」(2016年12月の上院議会報告)。

水産業を管轄する環境・食糧・農村地域省(DEFRA)によると、2015年の英国漁業関係者による水揚げ量は約70万7,000トン、7億7,500万ポンドとなっている(表1参照)。また、水揚げ量の6割弱、水揚げ高の7割強は英国内向けだが、残りは他のEU加盟国など外国向けだ。

表1 英国籍漁船による水揚げの推移

DEFRAによると、英国は2014年に15億6,000万ポンド、約50万トンの水産物を輸出している。同年の国内水揚げ量が45万1,000トン、国内で生産される水産加工品が21万5,000トンであり、水産品の多くを輸出に回している。主要輸出先であるEU向けは金額でみると64.6%、量では65.6%を占めた(表2参照)。輸出品目別の金額でみると、サーモンやサバ、その他甲殻類・貝類が多い。

 表2 英国の水産物輸出(2014年)

一方、英国の水産物の輸入額は27億3,600万ポンドで、貿易収支は大幅な入超だ(表3参照)。輸入の69.0%がノルウェーやアイスランドなどEU域外国からだ。EUからの輸入は全体の31.0%にとどまり、対EUでは出超となっている。

表3 英国の水産物輸入(2014年)

EU離脱なら25%以下の課税に

現在、英国からEU向けに水産物を輸出する場合、関税はかからない。しかし、離脱交渉の結果、WTOルール基づく実行最恵国(MFN)税率が適用されることになると、水産品輸出への打撃は深刻だ。EUの水産品に対するMFN税率は品目ごとに約400種類あり、0~25%の税率が課されている。英国のEU向けの主力輸出品であるサーモンの場合、未加工であれば2%、切り身は5.5%で、ホタテは8%、サバは15%となっている。

(岩井晴美)

(英国、EU)

通商弘報 24a6d9ab0c36305b

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