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水不足が深刻、日本の参入に期待-水ビジネスフォーラムにミッション派遣-

(イラン、日本)

テヘラン発

2017年03月17日

 「日本-イラン 水ビジネスフォーラム」が2月12日、ジェトロとイラン・エネルギー省が協力して、テヘランで開催された。イランでは水不足が深刻化しており、水分野は政府が力を入れていく分野の1つだ。ジェトロは水ビジネス関連企業のミッションを派遣し、関係省庁訪問、現地視察を含めたネットワーキングイベントを実施した。

<水分野は政府の重点分野の1つ>

 世界銀行によると、イランの水資源量は年間1,285億立方メートルであるのに対し、水使用量は年間933億立方メートルで、水資源使用率は72.6%と世界平均の9.3%を大きく上回っている。世界資源研究所(WRI)はイランを、世界で水不足状態にある14番目の国と位置付けている。水不足の深刻化で近年、中部地域の河川が枯渇する事態が発生しており、水使用量の98.6%を占める農業部門は特に深刻な被害を受けている。

 

 このような状況を受け、政府は水分野を2017年度(2017年3月21日~2018年3月20日)の3つの重点分野の1つとし、予算では水関連プロジェクトに約6億5,000万ドルを計上している。また、エネルギー省の資料によると、今後、水分野では表に示すプロジェクトを予定しており、総額は約55億ドルに上る。

表 水分野で予定されているプロジェクト

<日本の水関連技術をアピール>

 「日本-イラン 水ビジネスフォーラム」では、イランのエネルギー省が水市場の概況を紹介し、日本側からは日本の水関連企業の優れた技術を、現地の水政策関係者や水ビジネス関連企業にアピールした。イラン側参加者には、日本企業の技術力が高いことや日本製品の質の高さは共通認識だったが、日本企業の出足の遅さを指摘する声もあり、日本はより積極的にイラン市場に参入してほしいとの声が寄せられた。

写真 フォーラムの様子(ジェトロ撮影)

 ミッションには11社が参加した。参加企業はフォーラムに参加したほか、エネルギー省訪問、下水処理施設などの水処理施設および海水淡水化施設を視察した。海水淡水化および給水に関する基本計画への投資額は約36億ドルとされ、水分野の中で最も重点の置かれている分野だ。

 

 いずれの訪問先でも日本製品への信頼感が示されたと同時に、BOO(建設・運営・所有)方式あるいはBOT(建設・運営・譲渡)方式を通じた外国投資への期待についても述べられた。イラン政府は水分野を重点分野としているものの、国内での資金調達が難しいことが浮き彫りとなった。一方でミッション参加企業からは、イランへの制裁強化など不確定要素がある中で、資金調達まで日本側で行うことは現状では困難、といった声も聞かれ、ファイナンススキームの確立が日本を含めた外国勢のイラン進出のカギとなりそうだ。

写真 テヘラン西部の下水処理場(ジェトロ撮影)
写真 海水淡水化プラント(ジェトロ撮影)

(藤塚理)

(イラン、日本)

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