自動車アフターパーツ市場の開拓に商機-「AUTO SERVE 2016」にジャパンパビリオンを設置-

(インド)

チェンナイ発

2016年12月19日

 インド工業連盟(CII)が主催する自動車部品・アフターパーツサービスの展示商談会「AUTO SERVE 2016」が11月18~20日、チェンナイ・トレードセンターで開催された。ジェトロは日系企業15社からなるジャパンパビリオンを設置し、合計110件の商談マッチングを行った。

<拡大するアフターパーツサービス市場>

 インドでは自動車市場が拡大を続けており、自動車の保有台数も増加している。CIIによると、2015年度末時点で国内を走る乗用車は約2,400万台に上る。このうち使用年数が7年を超える車両は全体の27.5%で、アフターパーツサービスのニーズは高い。インドの消費者は車の部品を交換し、入念なメンテナンスをしながら長く使用する傾向がある。使用年数が7年を超えるような中古車両は今後も増える見込みで、新車市場とともに、アフターパーツサービス分野でのビジネスチャンスの拡大も十分に期待できる。

 

<州政府はさらなる投資誘致を目指す>

 開会式では、タミル・ナドゥ(TN)州政府のK・パンディアラジャン学校教育・スポーツ・青少年福祉相が基調講演を行った。同相は「TN州の強みは、技術と知識が発展する環境が整っていること。既に州内の幾つかの地域にアフターパーツサービス分野に関連する技術者が集まっているが、州政府としても技術発展を後押しし、さらなる投資を呼び込みたい」と語った。

 

 同相と馬場誠治・駐チェンナイ総領事は開会式後にジャパンパビリオンを訪れ、その様子が地元テレビや新聞などで報道された。

写真 ジャパンパビリオンを訪れたパンディアラジャン氏(中央)と馬場総領事(左)(ジェトロ撮影)

<販路開拓に手応えある商談も>

 今回、ジャパンパビリオンに参加した企業は、インドにおける製造もしくは販売拠点設立の足掛かりとして、自動車アフターパーツサービス分野の販路開拓や代理店発掘を目的にしているケースが多い。出展企業は、「まずは信頼できる代理店を選定し、中長期的には現地での製造も検討したい」(工具販売メーカー)、「完成車メーカーや部品メーカーなどの製造業のみならず、アフターパーツサービス市場へも販路を拡大したい」(工業用接着剤製造)などと、インド市場参入への意欲を示した。

 

 出展企業は、ジェトロがアレンジしたものを含め、合計で110件の商談を行った。成約見込みは5件で、成約見込み額は計8,500万円に達した。商談を終えた企業からは、「南インドで取引先を広げる良い機会となった」(自動車向けベルト製造)、「深い内容の商談ができ、インドでの販路開拓につながる手応えを感じた」(カーシート素材製造)などの声が聞かれた。

 

 なお、CIIによると、「AUTO SERVE 2016」には計110社が出展し、延べ6,500人が会場を訪れた。次回は2018年に、同じくチェンナイで開催される予定だ。

写真 ジャパンパビリオンの様子(ジェトロ撮影)

磯崎静香

(インド)

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