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乗用車の特別消費税を引き上げ、増収を期待

(トルコ)

イスタンブール発

2016年12月15日

 政府は、乗用車に対する特別消費税(SCT:Special Consumption Tax)の仕組みを改正し、これまでのエンジン容量基準に加えて、車両価格でも税率が変わる基本価格制度を導入した。アーバル財務相は、新しい制度は税収増を目的としたものではなく、税制の公平化が主な目的だとしたが、国庫へは30億トルコ・リラ(約990億円、1リラ=約33円)の増収が期待できるとも述べている。

<車両価格で税率変わる制度を導入>

 新制度〔1124日付官報20169542〕の下で、排気量1600cc未満の乗用車のSCT税率が45%から最大で60%に引き上げられた。ただし、車両価格によっても税率が変わる基本価格制度が導入されたことで、価格が4万リラ未満のものは45%、4万~7万リラでは50%が適用されることとなった(表参照)。同様に16002000ccの乗用車も、90%から100または110%に引き上げられた。2002年の公正発展党(AKP)政権発足後の14年間で、自動車のSCT増税は6回目となる。

表 乗用車に対する特別消費税(SCT)の新旧税率

 なお、政府は9月26日付官報(2016/9256で、ハイブリッド車(HV)を念頭に置いたエコカー税制を導入していたが、今回の改正で同税制も一部修正された。エコカー税制では、排気量1800cc未満の車などで、電気モーター出力50キロワット(kW)以上の車種の税率は45%となったが、今回の改正でこの税率は車両価格5万リラ未満の車のみへの適用となり、5万~8万リラの車は50%、8万リラ以上の車は60%に引き上げられた。電気モーター出力100kW以上の車種の税率も90%から100160%に引き上げられるなど、導入後わずか2ヵ月で実質的な増税となった。

 

SCTは中古車価格の高騰や低い新車比率の一因に>

 トルコのSCTは自動車だけでなく、石油・ガス製品、たばこ、アルコール飲料、携帯電話、化粧品など、ぜいたく品とされる物品に課税される。物品の出荷時に課税され、販売時にはさらに18%の付加価値税(VAT)が課されるため、自動車など高額な物品の税率はそれだけ高くなり、国内市場の拡大を妨げる要因となっているだけでなく、SCTの対象とならない中古車の価格高騰、低い新車比率の要因にもなっている。

 

 今回の税制改正では低価格の小型車が優遇されており、国内生産の約85%が小型車といわれるトルコの自動車市場では、輸入高級車の販売に逆風となりそうだ。日刊紙「ヒュリイェット」は、「国内で小型車を生産しているルノーとフィアットが最大の恩恵を受け、次いで現代、トヨタ、フォードも利益を得るだろう」と予測している。一方で、フォルクスワーゲンやアウディ、BMW、メルセデス・ベンツ、ボルボなどは、輸入高級車の販売面で悪影響を被るとみられている。

 

(中島敏博)

(トルコ)

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