自動運転車両の公道試験走行を解禁へ-2017年旧正月前後から実施予定-
(中国)
上海発
2016年12月20日
公安部・交通管理科学研究所によると、政府は2017年旧正月前後に自動運転車両の公道試験走行の管理方案を公布・施行する見込みだ。交通管理部門は、自動運転車両に対し安全性など5つの条件に基づく審査を実施した上で、公道試験走行の資格を付与する予定だ。
<5つの条件で試験走行用車両の資格を審査>
中国工業4.0イノベーション協力連盟と江蘇省蘇州市相城区人民政府は12月1~2日、「2016年自動車産業とスマート製造フォーラム」を共催した。公安部・交通管理科学研究所の袁建華研究員は12月1日に同フォーラムで演説し、自動運転車両関連の制度づくりの状況を紹介した。概要は以下の5つの柱から成る。
○進捗状況
公安部、交通運輸部、工業情報化部は2016年3月から「公衆用道路でのスマート化・ネットワーク化自動車の試験走行の管理規範」をまとめており、現在は草案の段階だ。主導役は工業情報化部で、2017年旧正月(2017年1月28日)前後には方案が公布される見込み。
○公道試験走行用の自動運転車両の管理方法
草案によると、交通管理部門は5つの条件に基づいて公道試験走行用の自動運転車両の資格を審査し、審査を通った車両に対し路上試験走行専用のナンバープレートを発行し、同時に交通保険への加入を義務付ける。5つの条件は、(1)「道路機動車両生産企業および製品許可」に基づいて認可された車種およびその車種をベースに改造された車種であること、(2)自動車の安全性を保証する「機動車両類(自動車製品)強制性認証」の技術基準を満たすこと、(3)交通事故自動記録装置を取り付けること、(4)室内・試験走行場内で一定時間以上の試験走行を実施したこと、(5)指定の公道試験走行車両のロゴを付けること。これらのほか、交通管理部門から独立した検査機関を設け、公道試験走行資格を付与された自動運転車両に対し、引き取り検査を実施する。
○テスト用公道の管理
公安部と交通運輸部は地形、気候などの要素を考慮して、自動運転車両のテスト用公道を選定し、その公道に自動運転用の通信機器を取り付け、高精度の電子地図を作成する。選定する公道は一般道路、都市道路、高速道路の3種を含む。
○運転手の管理
交通管理部門は以下の4つの条件に基づいて、運転手の資格を審査する。(1)テスト車種相応の運転免許を取ってから3年以上たつこと、(2)交通事故の記録がなく、運転に支障を来す病歴がないこと、(3)飲酒運転、違法薬物使用の記録がないこと、(4)自動運転車操作のトレーニングを受けたこと。
○自動運転データの管理
試験走行の時間、場所などの情報、事故・故障の関連情報(事故・故障発生時に自動車安全状況を監視する各センサーからのデータおよび自動制御システムが機能しているかどうかを判断できるデータを含む)を、試験車両に取り付けた交通事故自動記録装置で記録しなければならない。
そのほか、工業情報化部は「自動運転車両機能・性能要求」と「自動運転車両運転安全テスト規程」を制定する計画だ。
(文涛)
(中国)
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