ハバナ国際見本市、2年続けてジャパンパビリオンを設置

(キューバ)

メキシコ発

2016年11月18日

 第34回ハバナ国際見本市が10月31日~11月4日にキューバの首都ハバナで開催された。前回7年ぶりに参加したジェトロは、2年連続となる今回、15号館を占有してジャパンパビリオンを設置、日系企業13社が出展した。2015年の米国・キューバ国交回復により引き続き盛り上がりをみせた一方で、キューバの厳しい外貨事情を懸念する声も聞かれた。

73ヵ国の1,302社が出展>

 ハバナ国際見本市は年に1度開催されるキューバ最大の総合見本市だ。開会のあいさつで、マルミエルカ・ディアス貿易投資相は「前年を上回る73ヵ国、28,000平方メートルの規模となった。会場の展示面積を超えることになったため、仮設の展示スペースも用意した。多くの国からの出展は、ハバナ国際見本市がカリブ海地域における最も重要な見本市であることを示すだけでなく、ラテンアメリカの中でも重要な見本市となったことを表している」と語った。

 

 主催者が発行している出展者カタログによると、出展したのは73ヵ国1,302社だった。出展企業が最も多いのがスペイン(154社)で、地元キューバ(141社)、ドイツ(66社)、イタリア(64社)、中国(53社)と続く。また、韓国は17社〔大韓貿易投資振興公社(KOTRA)を含む〕で、米国はシンプルなブースながら前年より15社増の41社となっている。

 

 スペイン貿易投資庁(ICEX)の担当者によると、スペインがキューバビジネスで先行している理由は、長年の取引によりキューバのビジネスルールを熟知していることに加えて、進出しているスペイン系の銀行が信用状(LC)の買い取りを行っていることも大きな要因だという。その一方で、キューバの深刻な外貨不足は2017年、2018年も続くだろう、と指摘した。

 

1館占有した出展で集客力アップ>

 ジャパンパビリオンには13社が出展し、エアコン、オーディオ機器、二輪車、四輪バギーなどの実機は来場者の注目を集めた。また、前回に続いて出展した企業からは、1館を占有しての出展となったことで、集客力や日本ブランドの発信力の向上を実感したという声もあった。さらに、ジャパンパビリオンでは初日に開館式を行い、リカルド・カブリサス閣僚評議会副議長兼経済計画相、イリアナ・ヌニェス外国貿易投資副大臣、ジェトロの石毛博行理事長、渡邉優駐キューバ大使らが参加し、テープカットの後、パビリオン内を見て回った。マルミエルカ貿易投資相も後日、ジャパンパビリオンを訪れた。

 

 ジャパンパビリオン出展者にキューバビジネスについて聞くと、ICEXの担当者と同様に、キューバの外貨不足を懸念する声が多かった。キューバとの取引で求められる支払猶予期間が長期化しており、キューバ側の厳しい外貨事情がうかがえる状況となっている。

 

(岩田理)

(キューバ)

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