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農業・水産加工と木材加工分野で具体的な協力提案-ハバロフスクで日ロ中小企業交流会-

(ロシア、日本)

モスクワ発

2016年09月23日

 ジェトロは8月29日、ハバロフスク地方輸出支援センターと共催で日ロ中小企業交流会を初めて開いた。日本側からは13社・団体、ロシア側から30を超える企業・団体が参加した。ロシア側から中小企業振興政策に関する説明があったほか、農業・水産加工と木材加工分野における日ロ協力について多数の具体的な提案があった。

<ロシアは中小企業支援施策を整備中>

 本交流会は「第4回中小企業協力に関する日露会合」に合わせてハバロフスクで開催した。同会合は、201312月に日本の経済産業省とロシアの経済発展省との間で締結された覚書に基づき毎年実施されており、この枠内で両国の中小企業の交流の場を持った。交流会では、全体会合、農業・水産加工分野および木材加工分野に関する分科会、日ロ中小企業による商談会が行われた。

写真 商談会の様子(ジェトロ撮影)

 ロシア政府は資源輸出依存型経済から脱却すべく経済構造の多様化を図っており、中小企業の発展・育成は経済政策の目玉の1つとなっている。全体会合ではロシア経済発展省中小企業発展・競争局のマクシム・パルシン局長が「中小企業支援施策を整備しており、課税手続きの簡素化や優遇税制の導入、官僚主義の排除、公共調達における中小企業参画の義務化などを行った」と説明した。

 

 連邦中小企業発展公社のマクシム・リュボムドロフ取締役は、大企業による中小企業からの調達額を1兆ルーブル(約16,000億円、1ルーブル=約1.6円)に引き上げる目標を掲げ、中小企業が優遇金利で融資を受けられるプログラムを実施しているとし、ロシア76都市のビジネス環境をオンラインで具体的に把握することが可能な「ビジネスナビゲートシステム」を近いうちに導入すると述べた。

 

<ロシアの食品や原材料を発掘して輸入>

 農業・水産加工分科会では、日本側3社、ロシア側6社・団体から自社製品・サービスの紹介と具体的なビジネスの提案があった。ロシア極東のビジネス情報発信とロシアとの貿易に取り組むJSN(新潟県)は、ウラジオストクを中心に、モスクワやカザフスタン、ベラルーシへ菓子、即席麺、調味料などの加工食品を輸出している。地方メーカーの食品の発掘・開発を行い、ロシア向け輸出に取り組む一方、日本ではまだ知られていないロシアの有用な食品や原材料を発掘して輸入することが課題と述べた。

 

 薪燃コーポレーション(秋田県)は、秋田産米のロシア極東向け輸出の取り組み、農家の主婦を活用したウラジオストクでの試食会、ロシアのSTSテレビでのキャンペーン・CMを紹介。カムチャツカを訪問した際に知った北方民族のサケの食べ方を日本に持ち込みたいと意気込みを語った。

 

<日本製木工機械は部品供給やメンテナンスに課題>

 木材加工分科会では、日本側7社・団体、ロシア側4社・団体が報告した。日本側は木工機械・技術の売り込みが中心だった。日本木工機械工業会の井本希孝理事長は、ロシアが丸太に高額な輸出関税を課した結果、加工設備への投資が促され、製材輸出が拡大している、と指摘。「日本は国産材比率を拡大する政策目標はあるものの、引き続き木材を輸入に頼らざるを得ず、巨大な森林資源のあるロシアとは互いに協力し合える基盤がある」と語った。

 

 林業団体ダリエクスポルトレスのアレクサンドル・シドレンコ会長は「多くの林業会社は伐採と製材に従事しており、オーストリア、ドイツ、中国の設備を購入している。日本製機械は多くないが、品質が高いことは知られている」としつつ、修理部品の供給やメンテナンスの面に問題があるとし、「なるべく現場に来てもらいたい。そのためにも日ロの査証制度を緩和してほしい」と注文を付けた。

 

 木工機械メーカーの大井製作所は、レニングラード州の木材加工工場に設備を納入したことを報告。「加工くずを減らすなど生産効率を高めたため、これまで欧州製の設備を使っていた工場に納入できた。設備納入に当たっては、納入先の社員に1ヵ月半研修を行い、自前で操作とメンテナンスができるようにした」と述べた。

 

 ロシア極東最大の林業持ち株会社のRFPグループは、木材加工現場では廃棄物の処理が問題となっていると述べ、「日本でバイオマス燃料の需要が高まっていると聞いている。木質ペレットを日本に供給したい」と語った。

 

<日本企業の進出相次ぎ潮目変わる>

 このほか、ハバロフスクにおける日ロ協力案件の進展に関する報告もあった。在ハバロフスク日本総領事館の山本広行総領事は「1990年代には日本の中小企業の動きが活発だったが、ソ連崩壊後、大部分が撤退してしまった。他方、最近、JGCエバーグリーンによる温室栽培事業、サミットモータース・ハバロフスクによる『レクサスセンター』の開所、せとうちホールディングスによる日本人シェフのいる本格的な日本料理店『HANAMI』の開店など、日本企業の進出事例が相次いでおり、潮目が変わったと感じている」と述べ、「広大な領域に800万ほどの人口しかなく、都市が点在し流通システムが未発達な極東・東シベリアでは、中小企業レベルの地産地消型プロジェクトが重要かつ現実的だ」と指摘した。

 

(齋藤寛)

(ロシア、日本)

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