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保税物流センターに関する説明会を開催-税関総局が新制度を解説-

(インドネシア)

ジャカルタ発

2016年08月19日

 ジェトロ・ジャカルタ事務所は7月20日、インドネシアの新たな通関施設である保税物流センター(PLB)に関する説明会を開催し、日系企業120社が参加した。従来の保税倉庫と比べてPLBは、蔵置期間を最長3年とする点、倉庫内で梱包(こんぽう)・仕分けなどの簡易作業ができる点、税関職員が常駐しない点、インドネシア非居住者が利用できる点で利便性が高い。インドネシア税関は、既に民間企業などが保有する倉庫の11件をPLBとして認定しており、2016年中に50件まで増やすことを目指す。PLBの認定を受けるためには、倉庫面積1万平方メートル以上など、税関の規定する諸条件を満たす必要がある。

<国際物流の拠点化に取り組む>

 説明会では、インドネシア税関貿易円滑局のロビー・トニー局長がPLBの概要を説明した。他のASEAN諸国と比べ、インドネシアは輸入手続きに時間がかかっている。世界銀行の「物流パフォーマンス指標(Logistic Performance Index2014」によると、インドネシアの国別ランキングは53位と低い。こうした状況下、インドネシア政府は物流コストを下げ、ASEANにおける物流ハブ化を進める新たな取り組みとして、PLBを制定した。

 

 PLB201511月の政令第85号で制度化された。関連法令および細則として同年12月に財務省令第272PMK.042015号、20161月に税関総局長令第1BC2016号、第2BC2016号、第3BC2016号が制定された。従来の保税倉庫と比べた場合、PLBの主な特徴は、(1)輸入品については、PLBへの搬入から搬出時まで輸入に関する諸税を支払わずに蔵置できること、(2PLBの施設管理を行う事業者が、PLBの全部あるいは一部をインドネシア国内の輸出入者やインドネシア非居住の製品サプライヤーなど第三者に貸与できること、(3PLB内で梱包・品質管理・送り先ごとの仕分けなどの簡易作業ができること、(43年の蔵置期間があること、(5)輸入の際の関税評価はPLBからの搬出時点を基準とすること、(6PLB搬入時に使用した原産地証明書をPLBからの搬出の都度、繰り返し使用できること、(7)施設内の税関職員の常駐がなくなること、などがある。

 

 PLBは、新規あるいは既存の倉庫を対象に、(1)監視カメラなどの十分な設備あり、かつ(2)明確なビジネスプランを有し、かつ(3)認定通関業者(AEO)有資格企業、上場企業、国営企業、あるいは(4)面積が1万平方メートル以上の規模であること、を条件に税関総局が認定する。トニー局長は、現時点では規模の大きな倉庫を優先しており、1万平方メートル以上の規模のものだけを認定している、と説明した。現在、インドネシア国内で11件がPLBとして認定を受けている。同局長は、2016年中に50件のPLBを認定することをターゲットにしている、と述べた。

 

PLB搬入の輸入品は産業用の原材料などに限定>

 説明会では、ジェトロ・ジャカルタ事務所から幾つかのビジネスモデルを例示し、PLBの活用が可能かどうかを、トニー局長に質問した。

 

 まず、消費者に直接販売する複数の完成品をまとめて輸入し、PLB内で仕向け先ごとに仕分け・梱包するビジネスモデルが可能かという質問に対して、トニー局長は「PLBが国内産業の育成を志向しているため、PLBに搬入する輸入品は産業用の原材料、半製品、完成品に限る」と回答した。また、在インドネシアの貿易商社など、一般輸入業者番号(APIU)ライセンス保有者が輸入した品物をPLBに蔵置しておき、受注ごとに国内の製造業者に販売するビジネスモデルについて、製造輸入業者番号(APIP)ライセンス保持者のみPLBを利用できる、と説明した。

 

 他方、輸出ビジネスについて、インドネシア製の部品や完成品などをPLBに搬入し、PLB内で仕分けして輸出することは可能、とした。PLBを活用した三国間貿易については、同氏は、インドネシアの居住者を輸出者として立てる必要があり、外国のバイヤーがPLBを活用してインドネシアの製品を第三国の顧客に販売する場合、インドネシア国内の子会社や代理店による申告を通じて輸出する必要がある、と述べた。

 

 PLBの利用により、通関時間とコストの削減が期待される。輸入貨物はインドネシア国内の製造拠点により近い場所で蔵置できるため、製造部品など調達の信頼性が高まる、輸出貨物はPLBに搬入後、仕向け先ごとに荷物を仕立た上で輸出できるなど、ビジネスモデルに応じたさまざまな活用法が考えられる。

 

 なお、トニー局長によると、既存の倉庫がPLB認定を受ける場合、在庫の棚卸し作業は必要なものの、PLB認定前の既存在庫とPLB認定後の新規在庫を明確に分けることができれば、オペレーションを止めずにPLBへの切り替えが可能という。PLBの申請に当たっては、インドネシア税関総局のサービス窓口で事前相談を受け付けている。申請受付から認定までの手続きにかかる期間は、25営業日を目標としている。

 

(山城武伸)

(インドネシア)

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