天津市の2016年の社会保険負担基準額は前年比5.5%増

(中国)

北京発

2016年07月08日

 天津市は6月20日、2015年の同市の従業員平均賃金が年額5万9,328元(約88万9,920円、1元=約15円)、月額4,944元で、前年からの名目上昇率は5.5%だったと発表した。これに伴い都市労働者の2016年の社会保険料(養老、医療、失業、生育、労災)の負担基準額の下限額と上限額も7月1日からそれぞれ5.5%増え、2,966元、1万4,832元となったものの、負担率が引き下げられたため、企業の負担額は減った。

<負担率の引き下げで企業の負担額は低減>

 天津市人力資源・社会保障局は620日、「2015年の従業員平均賃金と2016年の賃金・社会保険負担基数などに関する通知」を発表した。それによると、2015年の同市の従業員平均賃金は名目で前年から5.5%上昇し、年額59,328元、月額4,944元だった。

 

 通知は、前年の従業員平均賃金を基に設定する都市労働者の2016年度の社会保険料(養老、医療、失業、生育、労災)負担基準額を、7月から下限2,966元、上限14,832元とするとしている。下限と上限は、それぞれ前年の天津市の従業員平均賃金の6割と3倍に相当する額が設定されている。なお、養老、医療、労災保険に加入している農村戸籍の従業員の社会保険料の負担基準額の下限は、従業員平均賃金の5割の2,472元としている。

 

 天津市は企業の社会保険料の負担率を、失業保険については2月に2.0%から1.0%へ、生育保険は0.8%から0.5%へ、労災保険は最低基準を0.5%から0.2%へ、最高基準を2.0%から1.9%へ、いずれも引き下げた。また5月から2年間、養老保険の負担率を20.0%から19.0%へ引き下げることを発表している(201675日記事参照)。これにより7月現在、都市労働者1人当たりの社会保険料の企業の負担率は、1年前に比べ2.42.6ポイント低下し31.733.4%となった(表参照)。負担基準額は上がったものの負担率が低下したことで、両者を乗じた企業の負担額は24.3078.87元減り940.224,953.89元となっている。

表 天津市の企業の都市労働者1人当たりの社会保険負担率(2016年7月)

(日向裕弥、鄭慧)

(中国)

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