天津市、企業の経営コスト削減策第2弾を発表-養老保険や失業保険などの負担率を引き下げ-

(中国)

北京発

2016年07月05日

 天津市は、2016年で2回目となる企業の経営コスト削減策を発表した。税金、人件費、資金調達、資源・エネルギー、物流など8分野20項目にわたり、人件費では住宅積立金、養老保険、失業保険の企業や個人の負担率が引き下げられる。

<企業負担の年間107億元軽減を見込む>

 天津市政府は616日付で、「天津市の実体経済企業コスト引き下げ第2回措置」を発表した。中国政府は企業の活力を増すため、企業の経営コストを引き下げる方針を示しており(20151228日記事参照)、天津市は2月に1回目の措置として20項目のコスト引き下げ策を発表した。今回の措置も2月と同じく、税金、人件費、資金調達、資源・エネルギー、物流、取引、創業、経営管理の8分野20項目にわたる(表参照)。うち7項目は国の政策で、13項目が天津市独自の政策となる。

表 企業の経営コスト負担削減措置20項目

 企業の負担は100元(約1,500円、1元=約15円)の売り上げに対して0.15%引き下げられ、天津市全体で年間107億元軽減できると試算されている。うち、社会保険負担率の引き下げによる人件費の削減額が489,000万元と最も大きい。

 

 2月の1回目の措置では、失業保険の企業負担率が2%から1%へ、生育保険の企業負担率が0.8%から0.5%へ、労災保険の企業負担率については最低基準が0.5%から0.2%へ、最高基準が2%から1.9%へ引き下げられるとともに、例年4月を改定時期としていた最低賃金の引き上げを7月に先送りすることが発表されていた。なお、最低賃金は71日に月額1,850元から5.4%引き上げられ、1,950元となった。

 

(日向裕弥、鄭慧)

(中国)

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