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ITAの対象品目拡大を受け関税撤廃始まる-米ではコンピュータ部品などが7月からゼロに-

(米国)

ニューヨーク発

2016年07月22日

 WTO情報技術協定(ITA)の対象品目拡大を受け、参加する53の国・地域で関税の撤廃が始まった。新たに対象となった201品目のうち、米国の有税品目の約6割の関税は7月1日に撤廃された。残る約4割も2019年7月1日までに撤廃される見込み。米国は対象品目の輸出額で世界3位、輸入額で2位となっており、関税の撤廃により大きな恩恵を受けるとみられる。

1,800億ドル超のIT輸出に恩恵>

 オバマ大統領は630日、ITAの対象品目拡大に伴う関税撤廃を行うと発表した(注1)。対象になった201品目のうち、有税品目の約6割の関税を71日に撤廃し、残りの約4割は2019年までに撤廃する。

 

 通商代表部(USTR)のマイケル・フロマン代表は「(輸入関税の撤廃により)情報通信技術に関連する製造業やサービス業のコストが低下し、競争力が増す」「(対象品目が拡大した)ITAが完全に履行されることによって、1,800億ドルを上回る米国のIT製品輸出が関税撤廃の恩恵を受ける」との声明を出した。また、米国半導体工業会(SIA)のジョン・ニューファー最高経営責任者(CEO)も「ITAにより、新たに6万人の米国人の雇用を支援できる」と述べた。

 

53の国・地域が201品目の関税撤廃で合意>

 ITAは、半導体、パソコン、携帯電話、ファックスなど約150品目のIT機器の関税撤廃を目的に1997年に発効した。同協定には現在、米国を含む82の国・地域が参加している。ITAWTO内の枠組みのため、ITA参加国が行う関税撤廃の恩恵は、最恵国待遇の原則の下、全WTO加盟国に及ぶ。

 

 20157月、米国、日本、EU、中国、オーストラリア、カナダ、韓国など53の国・地域(注2)は新たに201品目を対象に関税撤廃を行うことで合意した。対象品目には、デジタル複合機、GPSナビシステム、医療機器、新型半導体が含まれる。WTOによると、これら201品目の輸出額は世界全体で13,000億ドルで、世界の輸出額の約7%を占めており、自動車や繊維・アパレル、鉄鋼製品の輸出額を上回る。

 

2019年までに撤廃の品目も>

 対象201品目のうち、米国で関税が課せられている主要品目は、コンピュータ部品(HS8473)、レーダー・無線機(HS8526)、トランスフォーマーなど(HS8504)、マイク・拡声器(HS8518)、音声または映像の記録・再生機器の部品(HS8522)、テレビ・ラジオ部品(HS8529)、電気回路向け機器(HS8536)などが挙げられる。

 

 このうち、コンピュータ部品の1.92.0%の関税は71日に撤廃された。電気回路向け機器2.7%や、マイク・拡声器4.98.5%、レーダー・無線機4.9%の関税は段階的に引き下げられ、201971日までに撤廃される予定だ。また、音声または映像の記録・再生機器の部品の関税2.0%、トランスフォーマーなどの1.53.0%、テレビ・ラジオ部品の1.84.0%は、品目のHSコードに応じて、71日に即時撤廃されたものと2019年までに撤廃されるものに分かれている。

 

 対象品目のうち、米国の輸出額が大きい品目としては、コンピュータおよび周辺機器、通信機器、半導体電子部品、計測器・計器類などがある。米国以外の拡大ITA参加国・地域も、201512月に合意された関税削減スケジュールに基づき、それぞれ関税を撤廃する。

 

 なお、201品目の貿易額の国・地域別シェア(20112013年)をみると、53の拡大ITA参加国・地域で全世界の輸出額の90%以上を占めており、米国は13.4%と、中国の22.5%、EU14.7%に続いてシェアが大きい。輸入額では、参加国・地域で全世界の約85%を占め、米国は14.3%と中国の25.1%に次ぐ規模になっている。

 

(注1)ウルグアイ・ラウンド協定法は、同ラウンドで開始された交渉の対象だった特定品目の関税率について、同ラウンド終了後に交渉が妥結した場合であっても、大統領が修正できる権限を与えている。

(注2EU28ヵ国とEUは個別にカウントしている。

 

(赤平大寿)

(米国)

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