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特許規則が改正、早期審査制度を導入

(インド)

ニューデリー発

2016年06月21日

 2016年改正特許規則が5月16日に施行され、特許出願の審査結果がこれまでより早く出願人に送付される、早期審査制度が導入された。これにより特許の権利化までの期間短縮が期待されるが、企業がこの制度を利用するには要件が定められており、利用する際は注意が必要だ。

<特許の円滑な権利化に期待>

 インド特許意匠商標総局(CGPDTM)は516日、特許出願の審査における特許法の統一的な条文解釈と迅速な運用のための「2016年改正特許規則〔PatentsAmendmentRules,2016〕」を発表し、即日施行した。同規則では、特許出願に対する審査結果が出願人に早期に送付される制度が導入された一方、出願人に対して審査結果へのより迅速な対応を求めることも盛り込まれている。インドでは特許が権利化されるまでの期間が長期化しており、CGPDTMは同規則の施行により、特許を円滑に権利化できる仕組みづくりを目指す。

 

 インドではこれまで、出願人が審査結果を受け取るまで数年かかることもあったが、早期審査制度により、インド特許局長官が審査官に出願を付託してから最長3ヵ月半で審査結果を受けられるようになる。同制度では、特許局長官が特許出願を付託した審査官から2ヵ月以内に審査結果を受け、1ヵ月以内に内容を確認、その後15日以内に出願人に対して審査結果が送付される。

 

 ただし、同制度を利用するに当たって出願人は、(1)スタートアップ企業であること、または、(2)特許協力条約(PCT)に基づき国際出願(注1)し、かつ、国際調査機関または国際予備審査機関(注2)にインドを指定すること、という2つの要件を満たす必要がある。

 

 (1)の「スタートアップ企業」の定義は、a.設立から5年未満で、かつb.売上高が25,000万ルピー(約4億円、1ルピー=約1.6円)未満で、c.技術革新や商業化に取り組んでいること、となっている。また、この全てを満たしていても、既存の企業から分割された事業体や、開発商品に商業化の可能性がない場合などは対象外となる。(2)については、国際調査機関や国際予備審査機関としてどの国を指定できるかは、出願する所在国の特許庁や、出願書類の言語で決まるため、実態として国際出願はインドの特許庁に英語またはヒンディー語で申請しなければならない。日系企業にとっては、日本の特許庁に日本語で国際出願するよりもハードルが高くなりそうだ。

 

<出願人にもより迅速な対応求める>

 出願人に特許を付与しないとの審査結果が送付された場合は、審査官が指摘した付与しない理由を出願人が所定の期間内に解消しなければ、特許出願を放棄したものと見なされる。今回、その期間が12ヵ月から6ヵ月に短縮された。手数料を納付して3ヵ月延長することは可能だが、企業にはこれまで以上に迅速な対応が求められる。

 

(注1PCTに従い1つの出願書類を提出することにより、インドを含む全てのPCT加盟国に同時に出願したことと同じ効果が得られる出願。

(注2PCTに基づき国際出願された技術に関連する先行技術を調査する機関。

 

(大谷仁郎)

(インド)

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