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超過税を延長、関税体系も見直し-2016/2017年度予算案(2)-

(パキスタン)

カラチ発

2016年06月27日

 2016/2017年度予算案と同時に発表された2016年財政法案は、国会審議を経て2016年7月1日から施行される。2015/2016年度限りとされた「超過税(Super Tax)」は引き続き実施されそうだ。最低税(Minimum Tax)では、これまで対象外だった粗利が赤字の法人も対象となる。関税体系も大幅な見直しが行われる。

<粗利が赤字の法人も最低税の対象>

 2016年財政法案では、2001年所得税法(Income Tax Ordinance)、1990年売上税法(Sales Tax Act)、2005年連邦物品税法(Federal Excise Act)、1969年関税法(Customs Act)の改正が提案されている。

 

 所得税法に関する改正では、当初の予定どおり、法人税が32%から31%へ引き下げられる(銀行業は35%に据え置き、中小企業は30%→25%)。パキスタンでは20132014年度から法人税率が年度ごとに1%ずつ減らされており、最終的に20172018年度には30%になる予定だ。

 

 次のような優遇措置も設けられる。

 

20196月末までに新たに製造工場を立ち上げた会社は、雇用人数50人ごとに、課税所得に対して2%分(最大10%分まで)の税額控除(注)が利用できる。

○売上税の納税者登録をした製造業者は、これまで課税所得に対して2.5%の税額控除を受けられたが、これが3%へ引き上げられる。

20196月末までに拡張や近代化を目的に設備機械を購入した場合、購入額の10%相当の税額控除が受けられる。

○株式市場へ上場した企業が課税所得の20%分の税額控除が受けられる優遇措置について、上場した翌年に利用してもよいことになる。

20196月末までに設立した製造会社で、設立時の資本投資の割合が資本金の70%以上(借入金比率30%以下)の場合、設立(または商業生産開始)から5年間、所得税支払い額と同額の税控除が受けられる。

20117月以前に設立された製造会社が、拡張や新工場の設立を目的として設備機械などを購入した場合、投資額の70%以上が新株発行による資金調達(借入金比率30%以下)で賄われていれば、当該新規事業における課税所得と同額の税額控除を5年間受けることができる。

 

 また、超過税の延長が提案されている。同税は20152016年度に、5億ルピー(約5億円、1ルピー=約1.0円)以上の所得がある法人・個人に対して、1回限りの税金として3%が徴税された。これを20162017年度も実施する可能性が高い。

 

 これまで5,000万ルピー以上の売り上げ(収入)がある法人・個人に課されていた最低税は、対象が1,000万ルピー以上の法人・個人に引き下げられる。さらに、これまで同税の対象外だった「粗利が赤字である法人」も対象となる。

 

 最低税については、これまで対象外とされた大規模卸売会社も、20162017年度から対象となる。税率は売り上げに対して0.5%の軽減税率が適用される。20192020年度からは1.0%に引き上げられる予定。

 

<パソコンの売上税が免除に>

 売上税(Sales Tax、標準税率17%)法では、第5附表(売上税率が0%の品目)から文房具、牛乳などが除外される。第6附表(売上税が免除される品目)には、ノートパソコン、個人用コンピュータ、殺虫剤が追記された。そのほか、中国が開発するグワダル自由港に立地する企業や、同港開発に関する資材や設備への免除規定が定められる。

 

 第8附表(軽減税率品目)では、畜産飼料の原材料にかかる税率が5%から10%へ引き上げられるほか、砂糖結晶(8%)と尿素(5%)が追記される。第9附表(従量税)では、中級品の携帯電話・衛星電話(旧:1台当たり500ルピー→新:1,000ルピー)、スマートフォン(1,000ルピー→1,500ルピー)も引き上げとなった。

 

<基本関税率が5段階から4段階に>

 関税率も大幅に見直しが行われる。基本関税率が5段階から4段階になる。これまで2%、5%だった品目は3%へと統一され、10%、15%の品目はそれぞれ1%増税される。結果的に基本関税率は3%、11%、16%、20%(据え置き)のいずれかになる。

 

 繊維産業向けの設備機械の関税が減免されるほか、ソーラーパネルの輸入免除措置が延長される。また、次の品目の関税率が下げられる。酪農・畜産向けの設備機械(旧:5%→新:2%)、水質検査キット(20%→0%)、直鎖アルキルベンゼン(2%→0%)、揮発油(10%→3%)、スタンピングフォイル(20%→16%)、脂肪アルコールエトキシレート(15%→5%)、タイヤ製造用ビードワイヤー(調整税10%と17%を撤廃)。

 

 一方、地場産業の保護を目的として、粉ミルク、ホエイ(乳清)パウダーの輸入に対して、新たに25%の調整税が賦課される(乳児用粉ミルクは対象外)。そのほか、次の品目の関税率が引き上げられる。アーモンド(10%→20%)、冷凍魚類(10%→20%)、セメントクリンカー(2%→11%)、殻付きでない鳥類の卵(5%→16%)。

 

(注)タックス・クレジット。クーポンのようなもので、納税の際に利用できる。現金で受け取ることはできない。

 

北見創

(パキスタン)

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