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輸入完成車の特別消費税率が7月から改正-小型車は減税、大型車は大幅増税-

(ベトナム)

ハノイ発

2016年05月26日

 4月6日、輸入完成車などにかかる特別消費税の改正法案が国会で可決された。小型車が減税される一方、大型車は大幅な増税となる。改正法(106/2016/QH13)は7月1日付で施行される。

<環境配慮と国内産業保護が狙い>

 今回の改正では排気量の区分が細分化された。2000cc超~2500cc以下の乗用車の税率は据え置かれるが、2500cc超の乗用車は税率が引き上げられ、特に4000cc超の乗用車は100%を超える税率が適用される(表1参照)。大型乗用車が増税となる一方で、1500cc以下の小型乗用車や、多人数が乗車できるバス、バイオ燃料車、電気自動車などは減税することで、環境配慮型自動車の普及を目指す。改正は、国内で普及する自動車のうち、輸入完成車の割合が比較的大きいとされる大型乗用車の特別消費税率を引き上げ、国内自動車産業の保護を図ることも主な目的とされている。

表1 自動車の特別消費税の改定率

1月に続く特別消費税の増税>

 ベトナムでは、政令108号(1082015NDCP)により、20161月から輸入完成車に対する特別消費税の算定方法が改定されたばかり。輸入業者が販売代理店を通して自動車を販売する場合、改定前は輸入価格が税率算定の基準だったが、改定後はマージンなどが上乗せされた小売価格が税率算定の基準となり、輸入業者の仕入れコストは上昇している。201614月の完成車の輸入台数は前年同期比16.6%減の29,054台、輸入額が16.2%減の73,264万ドルにとどまるなど、算定方法の改定に伴い実質的に増税となった影響が表れている(表2参照)。

表2 完成車の輸入台数と輸入額

 当地の自動車輸入販売業者は、1月の実質増税からわずか半年でさらなる増税を迫られることになり、法案可決後には販売会社10社がグエン・スアン・フック首相などに施行延期を求める嘆願書を提出するなどした。

 

<未熟な裾野産業、関税削減は脅威>

 ASEAN経済共同体(AEC)の発足を受け、ベトナムでは輸入完成車(座席数24未満で部品の40%がASEAN諸国内で生産された自動車)の関税率が、20161月に50%から40%に削減された。さらに、2017年には30%となり、2018年に完全撤廃される。当地報道によると、関税が完全撤廃されれば、同車種を国産車より20%ほど安く生産できるタイ、インドネシアなどから大量に完成車が流入するといわれており、裾野産業が未熟なベトナムの自動車産業が衰退すると危惧されている。政府は「裾野産業発展に関する政令(1112015NDCP)」「ベトナム自動車発展マスタープラン(1211QDTTg)」の下で自動車産業の育成・発展を図ってきたが、具体的な成果はまだ得られていない(2016年4月7日記参照)

 

 ベトナムでは今後、増税で国内産業を守るだけではなく、未熟な裾野産業の早期育成、国産車の国内普及、さらには海外への完成車輸出などを視野に入れた具体的な政策の策定および実行が求められている。

 

(伊藤恵太)

(ベトナム)

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