7月1日から使い捨てプラスチック製レジ袋を禁止-2017年以降はレジ袋以外の袋にも適用-
(フランス)
パリ発
2016年04月12日
フランス政府は、小売業における使い捨てのプラスチック製レジ袋の使用を、7月1日から禁止する。また、2017年1月1日以降、使い捨てのプラスチック袋の使用禁止は、生鮮食品包装用など、レジ袋以外の袋にも拡大適用される。
<環境汚染につながるプラスチック製品の削減目指す>
使い捨てのプラスチック袋の使用禁止に関する政令は、2016年3月31日付の官報で公布された。同政令は、2015年7月22日に成立したエネルギー転換法の使い捨てプラスチック製品削減を目指した条項(同法75条)に関するもの。環境汚染につながる使い捨てプラスチック製品の削減を目指し、2016年1月1日から使い捨てのプラスチック製レジ袋を禁止としていたが(2015年8月12日記事参照)、欧州委員会が、フランスの国内規制としての同政令が欧州単一市場において問題とならないか、政府と協議の継続を希望したため、同政令の公布が遅れていた。
3月31日付の公布施行令により、7月1日から使い捨てのプラスチック製レジ袋が禁止となる。使用禁止対象となるレジ袋については、厚さ50ミクロン未満のプラスチック袋を「使い捨て」と規定している。そのため、7月1日以降は厚さ50ミクロン未満のプラスチック製レジ袋は、袋の提供方法が有料か無料かにかかわらず使用禁止となる。7月1日以降にレジ袋として使用できるのは、厚さ50ミクロン以上で、再使用可能なプラスチック製か紙や繊維などその他の素材の袋のいずれかとなる。例えば、バイオマスを原料とする生分解性のプラスチック製レジ袋についても、厚さ50ミクロン未満であれば、同じく使用禁止となる。
<2017年1月1日以降は生鮮食品包装用にも適用拡大>
野菜や果物売り場の量り売り用袋など、レジ袋以外の使い捨てのプラスチックの袋は2017年1月1日以降、使用禁止となる。ただし、必要最低含有率以上のバイオマスを原料とし、かつ一般家庭で堆肥にすることができる生分解性のプラスチック製の袋については使用禁止措置の対象外とする。バイオマスの必要最低含有率は、段階的に引き上げられる(表参照)。
なお、同政令の履行催告を受けたにもかかわらず、企業が規制を順守しない場合、最高2年の禁錮刑かつ10万ユーロの罰金となる。
フランス商業・流通業連盟(FCD)によると、2003年のプラスチックのレジ袋削減のための合意締結により、加盟店における年間配布量は2002年の105億枚から2013年には6億枚に減少した。多くの大手スーパーマーケットは政令の公布を待たずに、使い捨てのレジ袋の使用を既にやめている。バイオマスを原料とする生分解性プラスチックの袋を開発する企業も出てきており、政府は、同分野における3,000人の雇用創出を見込んでいる。
(奥山直子)
(フランス)
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