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香港向けが最大、11年連続で1位に-日本の農林水産物・食品の輸出は21.8%増の7,452億円-

(日本、香港)

香港発

2016年04月05日

 農林水産省が発表した日本の農林水産物・食品の輸出統計によると、2015年の日本の輸出総額は前年比21.8%増の7,452億円となり、3年連続で増加した。国・地域別にみると、最も輸出額が多いのは11年連続で香港(前年比33.5%増の1,794億円)だった。2015年における香港での商談会など、輸出拡大に向けた取り組みを紹介する。

<香港側輸入統計では5位に浮上>

 2015年の日本の農林水産物・食品の輸出を品目別でみると、加工食品、畜産品、青果物などを含む農産物が前年比24.1%増の4,431億円、丸太、製材、合板などを含む林産物が24.7%増の263億円、水産調製品を含む水産物が18.0%増の2,757億円となった。

 

 地域別にみると、アジアが5,475億円で全体の73.5%を占めた(表1参照)。次いで、北米が1,168億円で15.7%を、欧州が467億円で6.3%を占めた。個別の国・地域別にみると、1位は香港で33.5%増の1,794億円で全体の24.1%を占めた。2位が米国で14.9%増の1,071億円(構成比14.4%)、3位が台湾で13.8%増の952億円(12.8%)だった。香港は2005年以降11年連続で日本にとって最大の農林水産物・食品の輸出先となった。

 一方、香港特別行政区政府(以下、香港)統計局の統計によると、2015年における香港の農水産物・食品の輸入額は前年比6.4%減の1,8603,075万香港ドル(約26,044億円、1香港ドル=約14円)となった(表2参照)。国・地域別にみると、1位は中国で6.7%増の4491,724万香港ドルと、全体の24.1%を占めた。2位は米国で6.8%減の295244万香港ドル(構成比15.9%)、3位はブラジルで30.1%減の1372,996万香港ドル(7.4%)だった。日本は13.4%増の844,103万香港ドルと全体の4.5%を占め、国・地域別では2014年の6位から5位に順位を上げた。

<日本産食品の一層の浸透を狙う>

 日本政府は2020年までに日本産の農林水産物・食品の輸出額を1兆円とする目標を掲げ、さまざまな政策を打ち出している。その中でジェトロ香港事務所は2015年、食品総合見本市への出展や食品輸出商談会の開催などBtoBをメーンにしたマッチングの場を提供した。主なものとしては、日本産農水産物・食品輸出商談会の開催(201525日)、真珠などの見本市「香港国際ダイヤモンド、宝石&パールショー」へのジャパンパビリオンの出展(2015326日)、食品総合見本市「美食博覧(Food Expo)」および茶の総合見本市「国際茶展(International Tea Fair)」におけるジャパンパビリオンの出展(201581315日)が挙げられる。各見本市や商談会における商談件数や成約金額(見込み含む)は2014年に比べ増加した。

 加えて、ジェトロ香港事務所は2015年度、日本国内開催の商談会などに参加してもらうため、香港およびマカオのバイヤーら計23人に日本各地を訪ねてもらった。

 

 自治体主導のイベントも多数開催された。例えば、鹿児島県は、香港島のホテル内の高級日本食料理店で、鹿児島美食フェアを20151020日から約1ヵ月間開催した。シェフによるオリジナルコースメニューを立案し、各メニューに鹿児島県産食材を使用してプロモーションを実施した結果、フェア期間中の売り上げは好調だったようだ。また、栃木県は、ジェトロ香港事務所とも協力しつつ、201511910日に栃木県食品輸出商談会を開催した。「海外での商談が初めて」という企業が多い中、地場の大手スーパーから大口の独占取引の申し出があった企業もあり、一定の成果があったようだ。

 

 加えて、品目ごとに組織した取り組みもみられた。例えば、日本畜産物輸出促進協議会(JLEC)は香港で開催された食品即売会「香港冬日美食節(Food Festival)」(2015122428日)に日本の畜産物ブースを出展したほか、独自にフェアや商談会なども実施した。そのほか、日本の金融機関や旅行会社も食品輸出商談会を開催するなど、香港では日本に関連するイベントが毎週のように開催されている状況だ。

 

 一方、2015年の日本産農水産物・食品の香港市場での状況について、香港の輸入卸業者は「2015年に日本産食品の輸入量が増えたのは、円安も大きな要因だ」と話す。円安を契機に他国産品から日本産品に切り替えたバイヤーも見受けられる。しかし、足元では円高が進んでおり、今後は仮に為替の変動があっても安定した輸出拡大の体制整備も重要となろう。そのためには、バイヤーとの結び付きの強化や消費者へのPR拡大など、各取り組みを引き続き効果的に実施することが必要だ。また、オールジャパンによる取り組みも一層推進していくことが重要だろう。

 

(飯塚慧太)

(日本、香港)

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