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大統領が日本企業のインフラ技術に期待-パナマ投資セミナーを東京で開催-

(パナマ)

米州課

2016年04月25日

 パナマのフアン・カルロス・バレラ大統領が来日した機会を捉え、4月19日に東京で「パナマ投資セミナー」が開催された。在日パナマ大使館、同国貿易産業省、プロインベスト、米州開発銀行(IDB)アジア事務所、経済産業省、ジェトロが共催した。セミナーでは、パナマの投資環境や経済の強みが紹介されたほか、バレラ大統領はインフラプロジェクトへの日本企業の参加に期待を寄せた。

<メトロ3号線建設の円借款で署名>

 バレラ大統領は5日間の日程で417日に来日した。来日の主な目的は、パナマ市で予定されている都市交通(メトロ)3号線の建設のための円借款の供与に関する交換公文への署名で、420日、安倍晋三首相との首脳会談後に行われた。3号線はパナマ市とその西部をパナマ運河をまたいで結ぶ路線で、地下鉄方式の1号線、2号線と異なり、モノレール方式の採用が予定されている。

 

 419日に開かれた「パナマ投資セミナー」の冒頭で、IDBアジア事務所の大石一郎所長は、20152019年におけるパナマの公的部門へのIDBの資金協力額は20億ドルになると説明した。また、ジェトロの眞銅竜日郎理事は、パナマは日本企業にとって中南米ビジネスの拠点、ゲートウエーとしての役割を果たす重要なパートナーだと述べた。経済産業省の伊藤伸彰通商戦略担当審議官は、日本の質の高いインフラ技術がパナマ経済の発展に貢献できると語った。

 

<地理的優位とハブ機能での貢献を強調>

 セミナーでバレラ大統領は、パナマの投資環境の魅力と、日本のインフラ技術への期待を次のように述べた。

 

 中米地峡に位置するパナマは、貿易や文明の重要な結節点だ。パナマの地理的優位とハブ機能は、企業の米州におけるビジネス拡大に貢献しており、100社以上の多国籍企業が地域統括拠点を設置している。また、40社以上の日本企業がパナマに拠点を設けてビジネスを展開している。パナマ運河の拡張は、世界の物流を変え、新しいビジネス機会を創出するだろう。パナマは効率的で安全、しかも質と透明性の高いサービスを全ての運河ユーザーに提供することを約束する。

 

 2009年、2010年に当時の政権の副大統領として訪日したが、今回はメトロ3号線建設に関する融資取り付けのために、大統領として訪日した。メトロ3号線はパナマ国民の生活に資するだけでなく、近隣国への日本の技術のショーケースとしても役立つだろう。パナマは水道、運輸、保健、教育などの分野におけるインフラ投資に今後4年間で190億ドルを支出する予定だ。これらのプロジェクトへの日本企業の参加を期待している。

 

<租税情報交換協定に向けて日本と交渉の意向示す>

 ドゥルシリオ・デ・ラ・グアルディア経済財務相は、パナマ経済の良好なパフォーマンスを強調した。また、グアルディア経済財務相は、租税回避の問題への関心が世界中で高まる中、パナマの特筆すべき成果として、20162月のマネーロンダリングに関する政府間会合の金融活動作業部会(FATFGAFI)のグレーリストからの脱却を挙げ、次のように述べた。

 

 格付け会社のムーディーズは、パナマのグレーリストからの脱却はパナマやパナマの銀行にとってポジティブと評価している。今後の課題は、パナマが整備したマネーロンダリングやテロ資金対策に関する法的枠組みの実施(エンフォースメント)だ。世間を騒がせている「パナマ文書」はパナマの名声をおとしめるもので、同文書により明るみに出た租税回避の問題は世界の金融制度の問題だ。パナマはOECDおよびその加盟国と建設的な対話を行っており、バレラ大統領は2015年の国連総会において、パナマはOECDの共通報告基準に準拠した金融口座に関する自動的情報交換のイニシアチブに参加することを表明した。

 

 セミナーの質疑応答でバレラ大統領は、自動的情報交換については基本的に2国間で交渉を進めていくとし、日本と租税情報交換協定の締結交渉を開始する意向を示した。加えて、ノーベル経済学賞を受賞したジョセフ・スティグリッツ米コロンビア大学教授らを委員とする独立委員会を設けて、パナマの金融システムや法的枠組みの透明性を高めるとした。

 

(西澤裕介)

(パナマ)

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