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欧米優位の中東医療市場、関係者への訴えが参入の第一歩-主要見本市にみるライバル・パートナー企業の動向-

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発、ヘルスケア産業課

2016年03月09日

 アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催された中東地域最大の医療機器展示会「アラブヘルス2016」には、多くの医療機器メーカーが出展した。中東の医療機器市場では欧米製品がシェアの多数を占めており、日本製品を売り込むには、中東の医療関係者の意識を変える努力が必要だ。また、中東で医療機器を販売するに当たっては、欧州のCEマーキングの取得や、米国食品医薬品局(FDA)の登録実績が重要となる。

<若手医師に日本研修受けてもらうのも一案>

 中東の医療機器市場は現在、欧米製品が優位に立っており、優れた品質の日本製品といえども、この現状を変えていくことは一朝一夕にはできない。医療機器を売り込むに当たって、いずれの地域においても共通して言えることだが、やはり購入製品のユーザーであり、実質的な決定権を持つ医師をはじめとする医療関係者に対して、「精度の高さ」「壊れにくさ」「使い勝手の良さ」などの日本製品の良さを訴え、欧米製品が優れているという潜在意識を転換させていくことが重要だ。

 

 中東の医師の多くは、欧米の教育機関で学んでいることが多い。急がば回れで、欧米の医療機関においてプレゼンスを高めることが、中東市場のシェアを拡大する上で大事なアプローチとなる。事実、現地進出日系企業の中でも、欧米のグループ企業に対してさらなる販売促進を要請するところもある。また、中東の若手医師らに日本での研修を受けてもらい、日本製品に親しんでもらうことも一案だ。

 

 そのほか、中東の医療関係者に対して、品質の高さのみならず、安全性や高耐久性、使い勝手の良さといった日本製品の性能を総合的に勘案すれば、コスト面でも決して他国に引けをとらない、といった説明の仕方も必要になるだろう。

 

CEマーキング取得やFDA登録は必須>

 中東で販売するに当たって、留意すべきことは何か。医療機器は一般的に、現地の保健当局において、製品販売のための登録手続きを完了しなければ、市販できない。登録手続きの際、特に新興国や途上国においては、原産国で製造され、販売されていることの証明である自由販売証明書の提示を求められる。

 

 中東では医療機器登録に際して、原則として海外での認証や登録実績をそのまま受け入れることはない。ただし、欧州指令の要求事項の適合証明であるCEマーキングや、米国FDAの登録実績は求められることが多く、日本国内の製品登録のみならず、欧米の認証や登録手続きが済んでいないと、販売は難しいのが実情だ。従って、日本において医療機器の流通実績があり、さらにCEマーキングなどへの対応が済んでいる、あるいは意欲的に認証などに取り組む姿勢があることが、中東市場に参入する上での前提となる。

 

 今回の日本パビリオンでは、多くの出展者が、CEマーキングを完了しているか、数ヵ月内にも完了見込みの製品を並べた。第三者機関による認証には費用を要するが、世界の多くの国において登録に際し、CEマーキングなどへの認証取得が実態として求められる傾向が強まってきている。これらの費用は、海外展開の必要費用と理解する必要性が増している。

 

<原油価格下落が公立病院の調達に悪影響か>

 サウジアラビアやUAEのアブダビ首長国など経済の原油依存度の高い国・地域では、近年の政府収入の減少が公立病院の調達に影響を与えているもようだ。現地進出企業や、中東地域と取引のある企業、元保健省幹部らに聞いたところでは、これら産油国での公共調達については2015年来、「動きが鈍くなってきた」「支払いが円滑でなくなってきた」といった声が聞かれる。今後、特に公立病院の調達には留意が必要となりそうだ。

 

(後藤昌夫、桜内政大)

(アラブ首長国連邦)

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