船積み書類と信用状開設保証金に関する中銀通達を修正-適用対象外となる条件を明示-

(エジプト)

カイロ発

2016年03月30日

 2015年12月21日付で国内銀行向けに発出されたエジプト中央銀行による通達は、その後、2016年1月27日と2月22日の2回にわたり修正が行われ、例外ケースなどがより明確になった。具体的には、外国企業の支店または関連会社や空輸される貨物、製品などの内容が含まれている。

<外国企業の関連会社や空輸される貨物・製品などが例外に>

 修正後の最新内容は以下のとおり。20151221日付中銀通達(2016年1月22日記事参照)で詳細が記されなかった例外について、具体的に明記されている。

 

1.輸入決済は、エジプト国内銀行が輸出者の取引銀行(国外)から直接船積み書類を受領した場合にのみ行うものとする。顧客(輸入者)が輸出者から直接受領した船積み書類による決済は認められない。

 

 ただし、以下に該当する輸入決済については適用対象外とする。

 

1)外国企業の支店または関連会社

2)家禽(かきん)・家畜

3)空輸される全ての貨物・製品

4)ソフトウエア、アプリケーション、コンピュータ、コンピュータ用品

 

2.201611日以降の輸入決済については、信用状(LC)開設の保証金を従来の50%から100%に引き上げる。ただし、工場が生産に必要な原材料・資財を輸入するといった、商用転売目的でない輸入についてのLC開設は、適用外とする。

 

 スタンドバイLCによる商用目的の輸入決済は、保証金100%引き上げの適用対象とする。ただし、以下については適用対象外とし、保証金を従来の50%に据え置く。

 

1)医療機器・装置・医療用品

2)機械・機器の部品

3)ソフトウエア、アプリケーション、コンピュータ・コンピュータ用品

 

 未確認の後日払い船積み書類による輸入決済についても、保証金100%引き上げの適用対象とする。ただし、以下については適用対象外とし、保証金を従来の50%に据え置く。

 

1)乳児用粉ミルクを含む生活必需基礎食品

2)機械、生産設備、部品

3)中間財、生産必需品、原材料、機器・装置、医用素材、ソフトウエア、アプリケーション、コンピュータ・同必要機器

4)医薬品、ワクチンおよびその化学品

 

 保証金については、為替レートの変動幅を織り込めば、エジプト・ポンドでの預金を認める。

 

3.LC開設保証金100%を必要とする商業目的の輸入決済については、リファイナンスを禁ずる。

 

 ただし、以下のケースは例外とし、リファイナンスを認める。

 

120151231日以前に出荷された商業貨物

2)医薬品、ワクチンおよびその化学品

3)生活必需基礎食品

4)乳児用粉ミルク

5)医療機器・装置・医療用品

6)機械・機器の部品

7)ソフトウエア、アプリケーション、コンピュータ・コンピュータ用品

8)製造企業に販売する目的で輸入する中間財・生産資材(工場との契約関係があること、上記1.で規定の船積み書類受け渡しの条件が適用されることを前提として、関連当局において検討に付された上で、ケース・バイ・ケースで許可される)

 

(長谷川梢)

(エジプト)

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