アリババ、日本企業の中国向けECサービスを支援

(中国、日本)

上海発

2016年03月08日

 中国の電子商取引(EC)最大手のアリババ集団はこのほど、中国EC市場向け商品の出品支援を日本で開始した。同社のビッグデータを活用して、日本メーカーの製品選定や流通チャンネル設定などを支援する。また、中国市場に合う製品の開発を支援する研究会も開設される予定だ。

<ビッグデータ活用、ニーズに合う製品を開発>

 アリババ集団と同社日本法人は226日、「ジャパンMDセンター」を開設した。同集団によると、傘下の「天猫国際(Tモール・グローバル)」は中国の消費者に海外商品を販売する越境EC事業を運営しており、同センターは日本のメーカーが「天猫国際」に出店している日本の小売企業に製品を販売できるよう、中国の消費者ニーズに合う製品の選定や流通チャンネルの設定などマーケティング面で支援する。

 

 また同センターは、「天猫国際」の2015年の売上高の約7割を占めるベビー・キッズ、コスメ・パーソナルケア、サプリメントなどの人気分野を中心に、中国で需要の高い製品を安定して調達できるよう支援を行うという。

 

 アリババ集団は製品開発の支援も計画中で、2016年春に日本企業を対象とする「チャイナECワークショップ」という研究会を設立する計画を発表した。同研究会はアリババ集団のビッグデータを分析して得られた情報をメンバー企業に提供し、中国の消費者ニーズに合う製品の開発に役立ててもらう。また、メンバー企業への特典として、同集団傘下のECサイト「天猫(Tモール)」「天猫国際」のカテゴリー責任者との情報交換会や同集団と「天猫」のトップマネジメントメンバーが参加するエグゼクティブコンファレンスへの招待などを行うという。

 

 中国の消費者の日本製品に対する需要は高く、「天猫国際」でも日本製品の売り上げは急成長しているが、ニーズに対する理解不足や正規流通ルートの未確立などの問題がある。アリババ集団は「ジャパンMDセンター」と「チャイナECワークショップ」の設立で、日本製品の中国向けEC事業をさらに拡大することにしている。

 

 なお、「ジャパンMDセンター」と「チャイナECワークショップ」は当面、招待した企業だけで運営し、業績が上がれば範囲を広げる方針だ。

 

(文涛)

(中国、日本)

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