ベトナム・韓国FTAが発効

(ベトナム、韓国)

ハノイ発

2016年01月13日

 ベトナム政府ウェブサイトによると、2015年12月20日にベトナム・韓国自由貿易協定(VKFTA)が発効した。VKFTAの発効により、ベトナムにおける自由貿易協定(FTA)/経済連携協定(EPA)の発効は9つ目となる。ベトナム政府は、韓国との貿易・投資分野での関係がさらに強化されることを期待している。

VKFTAはベトナムにとって9協定目>

 VKFTAはベトナム・韓国両国間で20128月に交渉を開始。8回の正式交渉と8回の中間会合を行い、201412月に実質的な交渉妥結となった。201555日に両国が正式調印した後、国内批准手続きを行っていた(2015年5月12日記事参照)。そして、1216日に両国の外務省がVKFTA発効に関する外交公文を交換し、1220日の発効となった。

 

 ベトナム商工会議所の資料によると、VKFTAの協定書は17章、208条、15付属書、規定実施合意書から構成される。具体的には、物品貿易、サービス貿易、貿易救済措置、投資、知的財産、衛生と植物検疫のための措置(SPS)、原産地規則、貿易の技術的障害(TBT)、電子取引技術、競争、経済協力などだ。

 

 また、VKFTA発効後も、物品貿易、税関、保護貿易、SPSTBT、自然人の移動、などの分野で小委員会を設立し、VKFTA実施の検討とさらなる促進のため提言を行う予定だ。

 

 VKFTAの発効により、ベトナムにおいて発効済みのFTAEPA9協定となり、うち2国間協定は日本(2009年)とチリ(2014年)に続き、3協定目になる。また、韓国との関係でいえば、2007年にASEAN韓国自由貿易地域(AKFTA)が発効されており、本協定で2協定目となる。

 

<韓国は3番目の貿易相手国、関係強化に期待>

 政府ウェブサイトは、VKFTAの発効によってベトナムと韓国の企業が貿易と投資分野の各優遇措置が活用できる条件が整い、両分野での両国関係がさらに強化される、と期待感を示した。実際に、両国の貿易と投資は密接な関係にある。貿易総額は、1992年の5億ドルから2014年には288億ドルと58倍になっており、国別で韓国は、中国と米国に次ぐ3番目の貿易相手国となっている。なお、ベトナムでのVKFTAの原産地証明書はフォーム「VK」になる。

 

 韓国からの対ベトナム外国直接投資は、201510月までの累計ベースで4,777件、436億ドルとなり、国・地域別で件数、金額ともにトップだ。前述の政府ウェブサイトによると、進出分野は加工製造、不動産、小売り流通、建設となっており、約3,000社が40万人以上の従業員の雇用を創出している。

 

(佐藤進)

(ベトナム、韓国)

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