開城工業団地の土地使用料で南北が合意

(韓国、北朝鮮)

中国北アジア課

2016年01月05日

 韓国統一部は、韓国側の開城工業地区管理委員会と北朝鮮側の中央特区開発指導総局が開城工業団地入居企業に対する土地使用料を、1平方メートル当たり0.64ドルとすることで合意したと発表した。今後、入居企業はこの土地使用料を北朝鮮側に支払うことになる。

10年間免除後の使用料交渉が妥結>

 開城工業地区管理委員会(以下、管理委員会)と中央特区開発指導総局(以下、総局)は201411月から開城工業団地に入居する企業に対する土地使用料をいくらにするか交渉を継続してきたが、統一部は20151224日に合意に達したと発表した。

 

 統一部によると、開城工業団地入居企業に対する土地使用料というのは、開城工業地区不動産規定第15条に定められた、同地区内で土地利用権を有する者が納付する土地使用に関する料金で、2004413日の土地賃貸借契約後、2014年までの10年間は免除されていたが、2015年から土地使用料を納付することになっていた。

 

<今後は4年ごとの更新が可能に>

 双方が合意した主な内容は次のとおり。

 

1)土地使用料の賦課対象:土地使用料は、開城工業団地に企業が入居し、生産、商業活動を行っている土地に対して賦課することとし、開発業者の土地や未使用の土地、それに公共的な性格の土地に対しては、土地使用料は賦課しない。

2)土地使用料率:土地使用料は1平方メートル当たり0.64ドルとする。

3)土地使用料の更新周期:土地使用料は管理委員会と総局が合意すれば、4年ごとに更新することができる。ただし、それまでの土地使用料を20%超過することはできない。

4)土地使用料の納付時期:土地使用料は2015年から年1回支払うものとする。土地使用料は原則的に毎年1220日までに納付するものとするが、2015年の土地使用料については、2016220日までに支払うものとする。

 

<国際競争力のある団地を目指す>

 統一部は今回の土地使用料の基準の設定について、南北双方が協議して決めた内容であることに意味がある、と評価している。また、土地使用料の基準設定は開城工業団地の開発・運営の特殊性、国際基準、企業負担を総合的に考慮して決定されたもので、南北双方が同団地入居企業に対し、国際的水準の企業活動条件を保障し、同団地を国際的に競争力のある団地に発展させていくという目的に即したものだ、としている。

 

 さらに統一部は、開城工業団地の運営に関わる3通(通信、通行、通関)問題や北朝鮮側従業員の賃金問題などの懸案事項についても、北朝鮮と協力して解決し、入居企業が安定した条件の下で、生産活動に専念できるようにしていく、としている。

 

(根本光幸)

(韓国、北朝鮮)

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