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強まる政治・社会情勢への不安-2015年度欧州進出日系企業実態調査(2)-

(欧州)

欧州ロシアCIS課

2016年01月06日

 ジェトロが欧州進出日系企業を対象に実施した2015年度の実態調査によると、経営上の課題として「欧州の政治・社会情勢」を挙げた企業が35.0%と前回より9.8ポイント増加した。新たな競合企業の国籍について、「欧州企業」が40.0%と前回より11.5ポイント増え、競合先としての存在感が高まった。連載の後編。

<競合先の国籍で欧州企業の存在感高まる>

 経営上の最大の課題(複数回答)は「労働コストの高さ」で、45.2%(前年度比0.2ポイント増)だった(表1参照)。「人材の確保」が43.4%(0.8ポイント増)と続き、特に景気回復や生産拡大の動きが顕著な中・東欧では、製造を担う人手不足に直面している。

 

 本調査は201511月のフランス・パリでの同時多発テロ発生以前に実施したが、2015年中に多発したテロや難民問題などを背景に、「欧州の政治・社会情勢」が35.0%(前年度比9.8ポイント増)と、前回の12位から4位に急浮上した。前回3位の「景気低迷、市場縮小」は27.7%(11.8ポイント減)と9位に後退し、回復基調にある欧州経済を反映する結果となった。

 

 「新たな競合企業の出現」(30.0%、前年度比0.5ポイント増)についてその国籍を聞いたところ、中国企業が55.8%(2.4ポイント減)で最も多かった。欧州企業が40.0%(11.5ポイント増)と大きく増えた一方、韓国企業は22.6%(5.2ポイント減)だった。特に、自動車や化学関連製品などを取り扱う販売会社で、欧州企業を新たな競合先とする見方が多い。

<製造業を中心に日EUEPAに期待感>

 EUが交渉を進める経済連携協定(EPA)と自由貿易協定(FTA)が事業に与える影響について、日EUEPAの「メリット大」は34.9%だった。地域別では、製造業の割合が多い中・東欧(38.5%)の方が西欧(34.6%)を上回っている。日EUEPAが与える影響について、「メリット大」と回答した割合が最も多かった業種は「輸送用機器」(62.5%)だった(表2参照)。「その他製造業」「精密機械」「ゴム製品」(それぞれ50.0%)が2位で並び、製造業からのFTAに対する期待が高い。

 EUが交渉中の他のFTAについては、タイとの「メリット大」14.2%が最も高く、中・東欧進出日系企業に限っては20.0%だった。日本の製造業がタイで築いたサプライチェーンが、欧州に立地する日系企業にとっても重要なことがうかがえる。続いて米国(14.1%)、ASEAN12.0%)となった。

 

小菅宏幸、深谷薫

(欧州)

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