真空魔法瓶など一部消費財の輸入関税率引き下げ-関税を2016年1月1日から調整-

(中国)

北京事務所

2015年12月15日

 財政部は12月9日、輸出入関税を2016年1月1日から調整すると発表した。先進装置やキーパーツ、真空魔法瓶など一部の日用消費財に輸入暫定税率を適用する。また関税品目の調整も実施し、輸出入品目の総数は2015年の8,285から8,294に増える。

<先進装置や日用品に輸入暫定税率を適用>

 発表によると、貿易の安定成長を促し、先進技術・商品・サービスの輸入を強化し、自主イノベーションや産業構造の最適化・グレードアップを推進するため、201611日から一部の輸入品には最恵国税率よりも低い暫定税率を適用するとした。

 

 高速電気機関車のスタティックコンバーターや電気自動車またはハイブリッド車に使われる自動調整機器などの先進装置やキーパーツ、牛、羊の脂肪などに適用される。

 

 また、国内消費者の購買時の選択肢を増やし、消費のグレードアップ需要に応えるため、かばん、衣料、マフラー、毛布、真空魔法瓶、サングラスなど一部の日用消費財にも暫定税率を適用する。訪日中国人旅行者による「爆買い」が話題となったが、高まる国外日用消費財への需要に応えたかたちだ。

 

 また、2016年はリン酸、アンモニア、アンモニア水などの輸出関税を撤廃し、銑鉄や鋼片の輸出関税を適度に引き下げるとした。

 

<環境物品の関税も引き下げ>

 2国間および多国間の経済貿易協力を拡大するため、周辺地域を中心に自由貿易区戦略を加速し、グローバルな高水準の自由貿易区ネットワークを作り上げるとした。2016年はアイスランド、スイス、コスタリカ、ペルー、ニュージーランドとの自由貿易協定(FTA)、香港・マカオとの経済貿易緊密化協定(CEPA)など7つの協定を受け、一部の品目でさらに協定税率が引き下げられる。

 

 また、2012APEC首脳会合において合意された環境物品リストの関税引き下げに基づき、2016年は5%を超えている27の対象品目の関税率を5%に引き下げる。主に、乾燥機(排水処理に伴う汚泥などの処理)、焼却炉、太陽熱温水器(ソーラーヒーター)、風力発電機などが該当する。

 

 なお、科学技術の進歩、産業構造の調整、貿易構造の最適化、貿易管理強化への対応のため、2016年は輸出入税則中の一部の税目を調整し、輸出入品目の総数を、2015年の8,285から8,294に増やす。

 

 今回の発表の原文については財政部ウェブサイトで閲覧できる(より詳細な税率については財政部ウェブサイト参照)。

 

(宗金建志)

(中国)

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