クラフト紙AD調査、日本製品などに「クロ」の仮決定

(中国)

北京事務所

2015年12月14日

 中国商務部は12月10日、日本、米国、EUを原産地とするクラフト紙に対するアンチダンピング(AD)調査について、「クロ」の仮決定を下したと発表した(商務部公告2015年第67号)。

<ダンピングマージン、日本の製紙各社は20.2%>

 今回「クロ」の仮決定が行われたのは、日本、米国、EUを原産地とするクラフト紙〔HSコード:4804110048042100480431004804410048045100、英文名称:Unbleached Sack PaperUnbleached Sack Kraft PaperUnbleached Bag PaperあるいはUnbleached ExtensibleSemiExtensibleSackKraftPaperなど〕。クラフトパルプなどから製造された漂白工程を行わない紙で、強度や防湿性が高いため、産業用資材の包装や段ボールの材料などに使用される。

 

 商務部は410日、福建省青山紙業を代表とするクラフト紙業界からの申請を受け、AD条例の規定に基づき調査開始を決定した。調査の結果、ダンピングが存在し、国内の関連産業との間に実質的な損害について因果関係が認められたとしている。

 

 仮決定に従い、1211日以降は日本、米国、EUを原産地とするクラフト紙に対しては、ダンピングマージン分を徴収(14.929.0%)する形式でAD措置が暫定的に取られることになる。ダンピングマージンは以下のとおり。

 

○日本企業

 (1)王子製紙:20.2%、(2)王子マテリア:20.2%、(3)中越パルプ工業:20.2%、(4)大王製紙:20.2%、(5)日本製紙:20.2%、(6)その他:20.2

 

○米国企業

 (1KapStone Kraft Paper14.9%、(2)その他:14.9

 

EU企業

 (1BillerudKorsnas Sweden23.4%、(2Mondi Stambolijski29.0%、(3BillerudKorsnas Finland26.2%、(4Mondi Frantschach26.2%、(5Mondi Steti26.2%、(6Mondi Dynas26.2%、(7)その他:29.0

 

 公告の内容は商務部のウブサイトで閲覧できる。

 

(真家陽一)

(中国)

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