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自動車物品税、排気量重点の課税方式に改正

(ラオス)

ビエンチャン事務所

2015年12月17日

 これまで車両にかかる物品税率は車種と排気量により定められていた。しかし、2015年11月に自動車物品税率が改正され、排気量に重点を置いて税率を決めることとなり、そのための試行が開始された。改正により人気のピックアップトラックは物品税率が引き上げられ、セダンは引き下げとなった。このほか、ASEAN物品貿易協定(ATIGA)によるASEANを原産国とする自動車の関税率の撤廃、税額算出方法の変更なども行われることから、ラオス自動車市場に変化をもたらす可能性もありそうだ。

3ヵ月間の試行を踏まえ正式に移行>

 114日に「車両の物品税の試験運用に関する国会常任委員会合意(No.0137)」が発布された。ラオスでは化石燃料、たばこ、香水、アルコール、車両など嗜好(しこう)品やぜいたく品を中心に物品税(間接税)が課税されている。本合意は、車両に対して改正された物品税率を適用するかどうか、3ヵ月間試行するものだ。これまでは車種などで細かく税率が定められていたが、今後は、トラックやバスを除く自動車は排気量に基づく課税方式へ移行する(表1参照)。政府は試行結果を踏まえた上で、国家主席令として自動車物品税率の改正を発布する。なお、同国では輸入自動車に対して関税や物品税、付加価値税(10%)が課されている。

<自動車の課税額は増大の見込み>

 ラオスはATIGAに基づき、ASEANを原産国とする9,558品目のうち、89%の品目の関税を2015年末までに、96%の品目の関税を2018年末までに撤廃する。自動車やバイクについても段階的に引き下げられており、2015年末には関税が0%となる予定だ。

 

 これまでラオス財務省は自動車やバイクの車種ごとに排気量に応じて課税標準額を定め、関税や物品税を算出してきた。しかし、2013年にWTOに加盟したことでGATT7条に基づき、2016年初旬から売買価格(CIF)による課税評価へ移行する必要があった。日本車を含め多くの課税標準額は実際の売買価格よりも低く設定されていたため、今後は課税額が高くなる見込みだ。

 

<国内市場の車種需要に変化も>

 本件は、(1)課税標準額から売買価格への移行、(2ASEAN原産国関税の撤廃、(3)物品税率の変更が伴うことから、国内の車の販売価格は大きく影響を受けるとみられる。ラオスでは自動車の中でもピックアップトラックに人気がある(表2参照)。例えば、タイ産ピックアップトラックについて日系自動車メーカーは、関税率が10%から0%となるものの、タイ産ピックアップトラック(エクストラキャブ20012500cc)では、物品税が20%から20ポイント上昇し40%となる。これに加えて税の算出基準が売買価格となることで、市場販売価格は現在の35,000ドルから1万ドル程度値上がりすると見込む。一方、タイ産セダンは物品税が3545%引き下げられるので、国内市場の主力がピックアップトラックからセダンへ移るだろうとみている。

 今回の物品税率の改正は、ATIGAに伴う関税収入減を緩和することが目的だ。しかし、改正後の消費の変化が税収にどのような影響をもたらすかは予測しにくく、政府は3ヵ月間の試行の結果を踏まえ、最終的な物品税率を決定することにしている。

 

(山田健一郎)

(ラオス)

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