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ニュージーランド政府、農林水産物の貿易などで成果を強調-TPP大筋合意を歓迎-

(ニュージーランド、日本)

オークランド事務所

2015年10月13日

 環太平洋パートナーシップ(TPP)の大筋合意を受け、ニュージーランド政府は農林水産物の貿易などに関して成果があったと強調している。日本向け輸出の拡大に期待する報道が多く、株価も上昇した。

<「利益を享受する」との回答が67%>

 ニュージーランドでは、TPPが自由貿易の拡大に向けた大掛かりな取り組みで、国内経済に大きな影響を与えることから、大きな関心を集めてきた。今回のTPP交渉閣僚会合で合意されるとの予測に立った報道が102日ごろから目立ち始め、大筋合意の結果が伝えられて以降の報道によると、各界の反応は基本的に歓迎姿勢のようだ。例えば、107日付の経済紙「ナショナル・ビジネス・レビュー」は同紙のオンラインアンケートの結果を紹介。「ニュージーランドはTPPから全体として利益を享受すると考えるか」との質問に対し、「はい」の回答が67%だったのに対し、「いいえ」は19%にとどまっている、とした。

 

 ジョン・キー首相は、TPP交渉が成功裏に大筋合意に至ったことを歓迎する声明を発表した。ニュージーランドにとって、世界第1、第3の経済国である米国と日本とは初めての自由貿易協定(FTA)となり、より多くの雇用、より高い所得、より良い生活水準がもたらされる、としている。

 

 ティム・グローサー貿易相も声明を発表し、交渉の成果として以下の点を挙げた。

 

TPP諸国で牛肉の関税が基本的に撤廃される。日本では38.5%だった関税が、9%にまで引き下げられる。

○乳製品では数多くの品目で関税が撤廃される。

○果実、野菜、羊肉、木材・木製品、海産物、ワイン、工業製品などについても輸入関税が撤廃される。

○非関税障壁が緩和され、ニュージーランド企業がTPP諸国で事業をする上での公正な参入条件が確保される。

○投資家対国家の紛争解決手続き(ISDS)条項によって、ニュージーランドの投資家は安心して海外事業を展開できるようになる。また当該条項によって、政府が正当な公共政策に基づいて規制を実施することが妨げられるわけではない。たばこに関する規制はISDSの提訴対象から除外されている。

○今後、批准手続きを経て2年以内に施行に至るとの見通しを持っている。

 

<酪農製品の取り扱いは不十分との声も>

 他方、酪農製品もしくは牛肉について物品貿易の取り扱いを不十分、とする見方もある。また、ISDS条項についても、国内制度に影響が及ぶ懸念がある、と指摘されている。

 

 国内各方面からは協定内容の早急な開示を求める声が上がっており、雇用者・製造業者協会(EMA)は「協定の詳細内容を見るのを楽しみにしている」と期待を示している。

 

<日本の市場開放に大きな期待>

 外務貿易省(MFAT)は、交渉の成果を解説するウェブサイトを設けて国民への広報に努めている。市場開放の主な品目として、(1)食肉、(2)酪農製品、(3)果実・野菜、(4)ワイン、(5)木材・木製品、(6)水産物・同加工品、(7)羊毛、皮革、繊維製品、(8)工業製品、(9)その他の農産品、を挙げ、日本の関税引き下げ・撤廃などの措置については(1)、(2)、(3)、(9)の品目について特記している。

 

 現地では食肉や酪農製品を中心に、日本の市場開放への関心が高く、日本向けの農林水産物や食品の輸出が促進されるという期待の声が報道で多く取り上げられている。

 

 今回の大筋合意を受けて、ニュージーランドの株価は上昇した。報道によると、6日のSPNZX50指数は前日比で0.7ポイント上昇し、全50銘柄のうち、スカイシティー・エンターテインメント(娯楽、観光)、フレッチャー・ビルディング(建設)など30銘柄が値上がりしたという。

 

(林道郎、アリスター・チャムリー)

(ニュージーランド、日本)

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