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緊急業務届に回数制限ないことを明記-雇用局の労働許可書についての覚書(1)-

(タイ)

バンコク事務所

2015年09月29日

 タイで就労するためにはNon-Immigrant B VISAを取得して入国するだけでは不十分で、タイ入国後に労働許可書(WP)を取得する必要がある。ただ、15日以内の就労については「トートー10」という書式による届け出を行い、受領印をもらうとWPの代わりになる。そのWPの申請・発行基準に曖昧な点があったため、在タイ日本大使館とジェトロ・バンコク事務所が雇用局に確認したことに対する回答として、7月6日に「覚書」が雇用局のウェブサイトに公表されるとともに、各県の雇用事務所およびバンコク1-10区の雇用事務局長宛てに出状された。この覚書に関して2回に分けて解説する。

<在タイ大使館などの確認に回答>

 機械の修理など「緊急を要する業務」で15日以内の短期の就労であれば、就労前に各地の労働事務所に「トートー10(緊急業務届)」の書式で届け出を行う。このトートー10に労働事務所の受領印が押されたコピーを持っていれば、不法就労とはならない。しかし雇用局の担当官から、緊急業務届について年間の同一人物による取得回数を3回に制限する、という条件が提示され、トートー10が受領されないことがあった。このため、例えば多くの機械をタイに輸出しているメーカーが修理のために日本からエンジニアを派遣する場合、迅速に適切なエンジニアを派遣できないという弊害が生じていた。しかし、この指導の根拠となる条文は見当たらず、在タイ日本大使館とジェトロが雇用局に確認を求めていた。

 

 今回公表された雇用局の覚書には、「(トートー10の受領について)毎回の入国が必要かつ緊急な事情によるものであるという事実があるか否かに依拠」し、「回数の制限はない」と明記された。

 

 なお、覚書の原文は雇用局のウェブサイトで閲覧できる。

 

<「就労ではない」7種類の活動を明示>

 タイ政府は外国人労働法(2008年)に基づき、外国人がタイで就労する際はWP取得を義務付けている。雇用局は、就労を「報酬やその他の利益のためか否かを問わず、肉体や知識を持って働くこと」と定義している。就労に該当しなければ、WPの取得や緊急業務届は不要となる。

 

 今回の雇用局の覚書では、201536日付の雇用局布告「件名:2008年外国人労働法に基づく就労に該当しない活動」について触れている。この布告には、「就労ではない(すなわち、労働許可書が不要)」とされる7種類の活動が明示されている。

 

 なお、雇用局は201478日にウェブサイトで公表した文書「件名:法制委員会事務局処理案件 No.1522556の答申に基づくトートー10の申請を必要としない取引活動のための実施規範」において、201536日の布告に明示された7種類の活動中、6種類について基準を公表していた。新しい布告では「自社の取締役会への参加」が追加された。

 

 これらのタイ政府の文章をまとめると、次の7種類の活動のための入国は「就労ではない」とされ、B VISAWPともに不要となる。

 

1)会議・セミナーの「参加者」の立場で、当該事業の実現に関与することなく入国する者(会議・セミナーの主催者の従業員や請負人は就労に該当)

2)展覧会・展示会の「見学者」の立場で入国する者

3)企業の「視察・商談担当者」の立場で入国する者(「企業視察・商談をセッティングする者の従業員または請負人」は就労に該当)

4)特別・学術講演の「聴講者」の立場で入国する者

5)技術研修・セミナーにおける講義の「聴講者」の立場で入国する者

6)展示会における「商品購買者」の立場で入国する者(展示会設営者の従業員または請負人は就労に該当)

7)自社の取締役会への参加

 

(長谷場純一郎)

(タイ)

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