色や柄を地域の好みに合わせた品ぞろえで勝負−ASEAN市場に挑む中小企業(13)−

(ASEAN、日本)

アジア大洋州課

2015年04月09日

富士ホーロー(本社:東京都台東区)のホーロー製品は色とりどりな品ぞろえや上品な柄模様が特徴だ。2014年のジェトロのASEANキャラバン事業では、タイ・バンコクの展示会とベトナムの商談会に参加した。ASEAN市場展開の現状と今後について、常務取締役本部長の五十嵐宏氏に聞いた(1月16日)。

<「メード・イン・ジャパン」をASEANへ>
問:ASEAN進出の経緯と市場開拓の現状は。

答:これまで日本、米国、欧州などの市場をターゲットとしてきたが、東南アジアの大きな市場性に着目した。東南アジアを意識したきっかけは、OEM(相手先ブランドによる生産)を開始した4、5年前が契機だった。タイに工場を有しており、同工場からASEANに商品を展開するとともに、日本工場で生産した商品の展開も模索している。「メード・イン・ジャパン」を東南アジアへ届けたいという思いがある。

問:ASEANバイヤーの日本製品への評価・反応は。ASEANバイヤーが求めてくる製品の特徴は。

答:タイではある程度販路を開拓していたが、ベトナムは全く未開拓だった。両国に共通することだが、バイヤーには親日的な雰囲気があり、「メード・イン・ジャパン」への関心が見受けられた。色鮮やかな商品に注目が集まっていた。また、柄模様が入っている商品については、韓国やロシアで人気がある商品と同じ商品に人気が集まった。

バイヤーは「メード・イン・ジャパン」は高いという印象を持っているようだった。しかし、ベトナムの問屋から商品を購入したいという話が2件ほど持ち上がっている。ちなみに、ベトナムにはメーカーでありながら問屋の機能を担う企業があり、購入の希望があったのはこうした業態の企業だった。

<オリジナル商品をオーダーできる点に強み>
問:ASEANバイヤーへの売り込みで工夫した点は。

答:商品の強みとして、地域に合わせたオリジナリティーが出せることを売りにした。1ロット600個単位で、発注者の要望に合わせた商品を注文できることが強みだ。ただし、一度に600個は多すぎる、と感じているバイヤーもいた。

色については、日本では白が多いが、東南アジアではオレンジをはじめ派手な色が売れやすいという点に注意した。購入の希望があったものは、バイヤーが指定した色の商品だった。柄模様の商品については、中国や韓国で販売しているプロパー商品(卸売業者から卸される正規商品)を展示会へ持参した。

ベトナムの商談会では上品な柄模様が人気を集めた

<支払い条件と消費者の購買力の不足が課題>
問:ASEAN市場開拓で直面した課題と対応策は。

答:課題を感じているのは「支払い」の部分だ。こちらが提示した支払い条件をそのまま受け入れてくれる相手方は少なく、日本に比べて支払い条件について柔軟な対応をしない印象だ。

価格面においては、日本製よりもタイ製の方がバイヤーの要望に応えられている。日本製商品は、上述のとおり1ロット600個という制約がハードルになっている。

「メード・イン・ジャパン」を売りにしているが、特にベトナムにおいてはいまだ購買力が足りないよう感じた。シンガポールやマレーシアの方が購買層の裾野が広い。

問:ASEAN市場開拓における今後の展望と事業展開は。

答:ASEAN市場での販売拠点開設に向け、ジェトロのアドバイザーとやり取りをしているところだ。タイに工場があるものの、販売拠点がないため、拠点の設置を模索している。営業活動に注力するためには販売拠点の必要性を感じている。

日本工場で生産する商品のうち、国外で販売しているものは15%程度。今後、30%までその比率を上昇させることを目標としている。タイ工場からは米国や欧州へ輸出しているものの、日本側の売り上げには計上されないためだ。

アジアで関心が高い国はマレーシア、インドネシア、ベトナム、シンガポール、タイ、インドだ。インドは今後、大きな市場になるだろう。ニューデリーへ出張し、流通の手法は開拓したが、まだ「メード・イン・ジャパン」は浸透していないように感じる。しかし、富裕層が一定数存在し、またショッピングモールの出店も目立つため、ビジネスチャンスを感じる。ベトナム、インドネシア、タイについてはさらに注力したい。

(板東辰倫)

(ASEAN・日本)

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