蚊を寄せ付けない冷却ジェルマットが好評−ASEAN市場に挑む中小企業(17)−

(ASEAN、日本)

アジア大洋州課

2015年04月15日

寝装具を製造するオーシン(本社:福井県越前市)は、冷却ジェルマットに蚊を寄せ付けない成分を配合するなど付加価値のある商品を開発し、海外展開を進めている。ニーズはつかんだもののロットや価格面についてバイヤーとの折り合いが課題だという。海外市場での取り組みについて、代表取締役社長の渡辺哲広氏に聞いた(1月28日)。

<海外での販売安定を目指し複数の国に展開>
問:ASEAN進出の経緯と現状は。

答:当社は、5〜6年前から海外展開を進める方針を取った。日本の市場の伸び悩みから海外展開の必要性を感じていたが、特別、戦略的に国・地域を決めたわけではなかったため、中国やASEANの展示会、商談会に幅広く出展してきた。

そんな中、3〜4年前に韓国で代理店が見つかり、販売ルートができた。しかし、韓国の代理店は、担当者が短期間で交代するため、担当者によって売り上げが大きく変動した。好調だった翌年には10分の1に減るなど、韓国だけの販売では安定した海外展開ができず、リスクがあると感じた。最初に販路ができた韓国だけにとどまらず、複数の国に展開しようとした理由には、このような韓国での販売の事情もあった。

<冷却ジェルマットへの評価は国によりばらつき>
問:ASEANバイヤーの日本製品への評価・反応は。またASEANバイヤーが求めてくる製品の特徴は。

答:タイとベトナムでの展示会では、主力商品の冷却ジェルマットを中心にバイヤーの反応は良かった。一方、マレーシアではこの2ヵ国ほど芳しくなかった。当社の冷却ジェルマットは、ベッドに敷き、暑い季節でも心地よく快眠できるというもの。体を直接冷やすことが良くないという漢方医学の影響か、マレーシアでは中華系中心に、エアコンなどで室温を下げることはあっても冷たい水を飲む習慣はあまりないようだ。

問:ASEANバイヤーへの売り込みで工夫した点は。

答:タイとマレーシアで行っているテレビショッピングでは、当初は販売が伸び悩んでいたが、画面のテロップに中国語を入れたところ、販売が増えた。購入層は中華系が多いため、中国語を入れることで商品を理解しやすくなったことが、販売増加につながったようだ。

また、展示会場でのディスプレーについては、当社の商品は大きく、ブースの面積は限られているので、工夫が難しい。そこで、日本で使用している商品説明の映像に英語のテロップを付けて映した。また、小さめの冷却ジェルマットを用意し、手で触って冷たさを感じられるようにした。

当社の商品は、タイでは東急ハンズなど、また幾つかの国では大手百貨店やテレビショッピングでも販売しており、商品説明の際はこの点も説明した。これにより、商品の信頼性をアピールすることになったと思う。

ブースには、手で触って冷たさを実感できるジェルマットを展示

<ロットと価格面の折り合いが課題>
問:ASEAN市場開拓で直面した課題と対応策は。

答:ロットと価格帯について、バイヤーと折り合いを付けることが課題だ。当初は、500枚単位程度で納品することを想定していたが、最初はテスト販売が中心なこともあり、バイヤーは20〜100枚を希望してくることが多い。小ロットでは輸送費が高くつくため、価格帯も高くならざるを得ない。

対応方法としては、(1)他社の商品と混載することで輸送費を軽減する、(2)蚊を寄せ付けない機能など付加価値のある商品を開発する、(3)ロットごとに価格帯を決めるなど単価表を作成することの3点が考えられる。特に(1)については、同じ展示会に出展した日系企業が輸出する際に混載してもらったり、日本から輸入している商社に混載してもらったりできないかなど検討している。

また、2014年からは蚊を寄せ付けない成分を配合した冷却ジェルマットを新商品として販売を始めた。この商品も評判が良く、主力商品として売っていきたい。

問:ASEAN市場開拓における今後の展望と事業展開は。

答:ロットや価格面で対応する必要はあるものの、商品へのニーズに手応えを感じている。現在、タイで代理人と契約し、展示会で名刺交換をしたバイヤーへのフォローアップを委託している。当社の担当者は頻繁に出張できないので、タイに常駐する代理人のフォローアップは効果的だろう。

また、商品自体の認知度を上げたいと考えており、マレーシアのイオンなど日系百貨店にも営業を行っている。日系百貨店での展開は、日本ブランドの展開にとっては好都合だと考えている。

(倉沢麻紀)

(ASEAN・日本)

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