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キャラクターとコラボしたモバイルバッテリーが人気−ASEAN市場に挑む中小企業(6)−

(ASEAN、日本)

アジア大洋州課

2015年03月31日

人気漫画「よつばと!」のキャラクターである「ダンボー」。このキャラクターとコラボレーションしたモバイルバッテリーなどを販売するTRA(本社:大阪市)は、日本市場での好調を追い風に海外市場の開拓に力を入れている。2014年のASEANキャラバン事業に初めて参加した。海外市場開拓への取り組みについて、東南アジア地域担当の須貝宏幸氏に聞いた(1月16日)。

<日本市場での人気を追い風に海外進出>
問:ASEAN進出の経緯と市場開拓の現状は。

答:3〜4年ほど前から主に携帯電話の充電などに使用するモバイルバッテリーが日本で販売され始めた。当時販売されていた大手企業の製品は値段が高く、低容量で重い製品が中心だった。このため、品質が良く安価なモバイルバッテリーを製造し、3年前からオンラインに絞って販売を開始した。オンラインに限定した理由は、家電量販店などの実店舗へ出荷する流通コストを削減するためだ。当社の人気商品となったダンボーのモバイルバッテリーは、1年半〜2年前という早い段階でダンボーとのコラボレーションが実現し、先行者利益もあって売り上げが一気に伸びた。オンラインでの販売に可能性を見いだし、海外進出を決断した。

ダンボーとのコラボ商品はASEANキャラバンでも好評

中国で生産したものを、各国の販売会社で販売するのが事業スキームだ。当社では30年ほど前、中国に工場を設置し、立体駐車場やシャッターに用いる部品などの商品を日系企業に卸す事業を行っていた。中国サプライヤーや工場とのコネクションが形成されていたため、バッテリーでもこれを生かした。ただし、各国ごとに状況は異なる。米国や日本はオンラインでの販売ができ、店舗への出荷よりもコストダウンが可能だが、東南アジアでは状況が異なり、オンライン販売が非常に難しい。理由としては、クレジットカードの普及率の低さ、物流の未整備、にせ物のまん延などがある。このような理由から、タイでは実店舗での販売を行っており、ディストリビューターを通じ約50店舗に商品を展開している。

しかし、今後はオンラインでの販売が伸びるとの予測から、オンライン販売の10サイトほどに登録している。販売価格は店頭販売価格の2割引き程度。店頭販売価格はディストリビューターが一般的に15〜20%、店舗が30〜40%の利益を上乗せするため、日本での販売価格に比べ高価になってしまう。これまではハイエンド層向けにプロモーションを行ってきたが、多くの消費者にとって手に取りやすい販売価格に下げるため、オンライン限定で販売する商品を企画中だ。

<品質の高さを理解してもらうために工夫>
問:ASEANバイヤーの日本製品への評価・反応は。ASEANバイヤーが求めてくる製品の特徴は。

答:ASEANバイヤーには「日本の製品は高いが、品質が良い」という認識がもともとある。そのような特徴の商品をいかにして販売するか、という点が課題だと認識している。メーカーとしては適正な利益を取っているという認識であるため、価格を下げるつもりはない。それでも当社の商品を売りたい、という気概のあるバイヤーを探すことは簡単ではない。

問:ASEANバイヤーへの売り込みで工夫した点は。

答:東南アジアでは、中国製の安価なモバイルバッテリーが多く流通している。そのような商品は2万ないし3万ミリアンペアなどという表示があるものの、実際の容量は表示と異なる粗悪品である場合が多いといわれている。また、安全装置が内蔵されていない商品が流通している場合も多く、最悪の場合、機器がオーバーヒートし爆発してしまうこともある。このような現状から、ASEANバイヤーに対しては品質に関する啓発活動を行うようにしている。TRAのモバイルバッテリーは粗悪品に比べ長時間使え、素早く充電できるとていねいに説明し、分かってもらえるよう努力した。

<販売店舗にはマーケティングサポートが必要>
問:ASEAN市場開拓で直面した課題と対応策は。

答:1つ目は、店舗販売に当たってメーカーが販促を行う必要があることだ。東南アジアでは、ディスプレーや棚作りなど、店舗からメーカーに対して「どうやったら売れるのか」という知恵の共有を求められる。マーケティングサポートが必要ということだ。店頭に飾るため、サンプル商品を無償で提供してほしいという依頼やディスプレー作成費用をサポートしてほしいとの依頼もあった。依頼を全てうのみにすると多大なコストがかかるため、ケース・バイ・ケースで対応している。

2つ目は、オンライン販売になかなかシフトできないことだ。オンライン販売では上記の1つ目のリスクは回避できるが、店舗販売価格に引きずられ、オンラインでの販売価格が高止まりしてしまう。また、クレジットカードの普及や物流の未整備の問題などがコントロールできないという問題がある。さらに、東南アジアでは、日本のようなアフィリエイトシステムを活用したブロガーによる宣伝などが文化として根付いていないということもある。これらの課題はあるものの、将来的にはオンライン販売にも注力していきたい。

問:ASEAN市場開拓における今後の展望と事業展開は。

答:オンライン販売、店舗販売の別にこだわらず、全ての東南アジアの国で商品を販売することが最優先だ。ディストリビューターは、企業の大小にかかわらず、意欲によって選定するつもりだ。インドネシアとマレーシアでは、ジェトロの市場調査サービスを活用している。また、先日行われた米国の見本市(CES)に参加し、各国のディストリビューターと情報交換を行った。

また、タイでは50店舗で販路を構築することができた。この経験を生かし、日系企業がタイで商品を販売する際の手助けをするような事業を行いたい。日本の中小企業の販売サポートを行い、ウィン・ウィンの関係を築くような事業だ。良い物を作っているが、海外の店舗で販売することが難しい企業へのサポートや、店舗を訪れた客から直接フィードバックしてもらうなどのサービスを考えている。

(板東辰倫)

(ASEAN・日本)

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