日本伝統産品を取り入れたモバイル用スピーカーに好反応−ASEAN市場に挑む中小企業(3)−

(ASEAN、日本)

アジア大洋州課

2015年03月26日

徳島県産木材を使い、藍染めなどの地元の伝統産品を取り入れたモバイル用小型スピーカーが人気の吉崎木製工業(本社:徳島市)。スピーカーはそのデザインもさることながら、音質にもこだわりがある。製品は全て日本の職人の手作りで、ASEANで人気のある「メード・イン・ジャパン」の需要に応える。同社商品企画部マネジャーの石川奈美氏に聞いた(1月15日)。

<「メード・イン・ジャパン」商品の強み>
問:ASEAN進出の経緯と市場開拓の現状は。

答:もともと海外販売に意欲があり、5年ほど前から本格的に市場開拓を開始した。近隣国に関心があったので、まずは中国市場開拓を目指した。しかし、反日デモなど中国で社会情勢の変化もあり、2年前に中国事業はいったん停止することにした。一方、ASEAN地域では以前より商品への関心が高く、親日的な風土もプラス要因となり、面白い市場だと感じていた。

問:ASEANバイヤーの日本製品への評価・反応は。ASEANバイヤーが求めてくる製品の特徴は。

答:タイとベトナムのバイヤーの反応は想像以上に良かった。当社のスピーカーは小型で、スマートフォンなどにつないで利用できるが、両国ともスマートフォンが生活の中で欠かせない存在になっており、関連製品市場も成長している。現地での販売価格は日本の2倍で設定したが、バイヤーから「高い」という反応があったものの、具体的な商談を進めることができた。

品質を考慮した適正な価格の見極めが重要

問:ASEANバイヤーへの売り込みで工夫した点は。

答:ジェトロの専門家からもアドバイスをもらい、国によって好みの色やデザインが異なるということから、展示・商談会では、色みの明るいもの、東南アジアの人が好きそうな商品を中心に展示した。

また、「メード・イン・ジャパン」への関心が強いため、当社製品は全て日本の職人によって作られていることをポップや映像を使ってアピールした。製品に使用している藍染めの成り立ちや背景に対する関心も高く、和のイメージに対する反応も良かった。藍染めについては資料を持参し、背景情報も説明した。

<ASEAN市場に特化した製品を開発へ>
問:ASEAN市場開拓で直面した課題と対応策は。

答:一番の課題は価格調整で、安さと品質が折り合うボーダーラインを見つける必要がある。今後は仕様、工程、材質を見直しながら、ASEAN市場に特化した製品開発を行っていきたい。例えば、カラーバリエーションを増やすことも一案だし、音についても、日本人は音質を重視するが、東南アジアの人は音質よりどれだけ大きな音が出るかという音量を重視するといった違いもあるので、このような点も製品開発に反映させたい。

国によって異なる輸出方法の調査も、必要だと考えている。当社製品はスピーカーなので電子部品に分類されるが、例えばタイの場合は関税が高くなる可能性もあると聞いており、今後調べていきたい。

問:ASEAN市場開拓における今後の展望と事業展開は。

答:最初はデザインに使用している落ち着いた色の藍染めが、明るい色を好むといわれているASEANの人にどう映るのかと心配していた。しかし現地の商談会では、藍染めの全てが自然のもので作られていることにバイヤーが大変興味を持ってくれ、手応えを感じた。ASEAN市場開拓の可能性を強く感じている。すぐに大量のビジネスをすることは難しいが、長期的に取り組んでいきたい。まずは現在、商談が進んでいるタイとベトナムを足掛かりにASEAN展開を進めたい。

(古屋礼子)

(ASEAN・日本)

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