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耐久性の高いエクステリア製品で売り込み−ASEAN市場に挑む中小企業(1)−

(ASEAN、日本)

アジア大洋州課

2015年03月24日

約6億の人口を擁するASEAN諸国は高成長により、購買力を持った中間層・富裕層が拡大しつつある成長著しい消費市場として注目を集めている。ASEAN諸国における販路開拓を支援する「ジェトロ・アセアン・キャラバン事業」に参加した中小企業が、どのようにASEAN市場を開拓しているのか、事例を通じて紹介する。特集1回目は屋外掲示板、公共サイン、案内板、電飾広告、業務看板の総合メーカーのカシイ(本社:富山市)。同社の建材事業部企画部企画課長の岡本昌子氏に聞いた(1月13日)。

<ASEANでのエクステリア製品需要に着目>
問:ASEAN進出の経緯と市場開拓の現状は。

答:暑い国々であるASEANにおいて、当社が製造しているエクステリア製品の中で、カーポートなどは日よけ製品として需要があるのではと考え、2012年にタイで開催された展示会に初めて参加したのがASEAN市場開拓の始まりだ。

実際に展示会に参加してみると、タイでは日本のようなエクステリア製品がまだ整備されておらず、市場の潜在性を十分に感じた。その後、サンプル出荷などはあったが、ASEAN市場の販売実績には結び付かなかった。そこで2014年に開催されたシンガポールの国際建材展示会「Build Eco Xpo Asia/BEX Asia 2014」のジェトロのブースに参加し、ASEAN市場開拓に再チャレンジすることにした。

<展示会場ではミニチュアで設置シーンを分かりやすく>
問:ASEANバイヤーの日本製品への評価・反応は。ASEANバイヤーが求める製品の特徴は。

答:展示会場では、耐風・耐雪性能に優れた折板カーポートを日よけ用途とし紹介した。しかし、シンガポールでは当社の製品を使用するような戸建ての家が少なく、コンドミニアムや高層ビルが中心なことから、シンガポールのバイヤーからの反応は薄かった。

一方、近隣諸国からの反響は大きく、例えば土地が広いマレーシアでは戸建て需要も多いことから、不動産開発会社から引き合いがあった。マレーシアのバイヤーからは「マレーシアのカーポートはコンクリート製が中心。工期もかかり、施工パーツも大き過ぎる。カシイのカーポートはアルミ製で軽く、シンプルなデザインがいい」と、デザインと素材への両方に対し良い反応があった。またインドネシア、タイなどのホテル開発に携わっているデザイナーからは、プールサイドやリゾートビーチで日よけを使用したいという声があった。

問:ASEANバイヤーへの売り込みで工夫した点は。

答:今回売り込んだ製品は屋外で使用する大型のもののため、会場内ブースでは展示することができなかった。そのため3種類ある屋根素材別にミニチュアを作成し、設置シーンが分かるように工夫した。自分たちが想像していた以上に、会場ではミニチュアがバイヤーの目に留まり、「素材は変えられるのか」「大きさはどこまで対応が可能なのか」など多くの質問を受けた。

ミニチュアで設置シーンを紹介

日本製であることをアピールするだけでなく、現地バイヤーが求めていること、相手が興味を持っていそうな部分に適切に売り込むよう心掛けた。また、日本で販売している製品がそのまま現地で受け入れられるかどうかは分からないため、相手が何を要求しているのかを聞き出すよう努力した。

<需要が期待できるマレーシアを開拓の拠点に>
問:ASEAN市場開拓で直面した課題と対応策は。

答:日本での保証期間は通常2年間だが、製品に樹脂素材を使用しており、ASEANは暑い気候であるため、ASEANでの保証期間をどう設定するかは検討が必要だと考えている。またバイヤーから、パーツごとに素材に関する専門的なデータを要求されることがあった。このようなバイヤーからの質問を通じて、例えば、樹脂素材は可燃性があるのでシンガポールでは認証の取得が必要なことや、施工方法によって課税率が変わってくることなども分かったので、今後、対応を考えていきたい。

関税率はまだ詳細には調べていないが、完成品で輸出すると40%程度かかるものの、部品を現地調達することで下がる可能性もあるようだ。関税を削減すれば、最終製品価格の競争力を高めることができるので、今後は部品の一部現地調達の可能性を検討するのも一案だと思っている。

問:ASEAN市場開拓における今後の展望と事業展開は。

答:今回参加した展示会には、開催地のシンガポールだけでなく、インドネシア、ベトナム、ミャンマー、マレーシア、アラブ首長国連邦など近隣諸国・地域からのバイヤーも多く参加していた。その中で、床材を取り扱っているマレーシアの輸入代理店との商談が具体的に進んでいる。この企業は、日本への床材の輸出実績が20年以上に及び、日本企業との取引実績もある。日本製品の品質の良さを理解している同社は「マレーシアやタイでも同じような製品はあるが、粗悪品が多い。高品質な日本製品をマレーシア現地のゼネコンに売り込みたい」と希望しており、商談を続けている。当社が業務・技術提携している日鉄住金物産がマレーシアに現地法人を有していることもあり、このような商談を機に同社とも連携しながら、マレーシアを拠点としてエクステリア市場を開拓していきたいと考えている。

(手島恵美)

(ASEAN・日本)

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