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東西経済回廊の国境でシングルストップ検査の第4フェーズ実施−越境交通協定の進捗(1)−

(ベトナム、ラオス)

アジア大洋州課・ハノイ事務所・ビエンチャン事務所

2015年01月14日

第5回大メコン圏(GMS)開発プログラムサミットが2014年12月20日、タイ・バンコクで開催された。GMSでは貿易円滑化についてもさまざまな取り組みが進められており、主要テーマの1つは、越境交通協定(CBTA)だ。CBTAの最新の状況について、2回に分けて報告する。

<1月からラオス・ベトナム国境でワンストップ検査>
CBTAは、越境手続きの円滑化、人の越境移動、物品の越境移動、車両入国許可条件、商業的通行権の交換、インフラの整備およびそれらを実施する制度的枠組みについて定めた包括的な協定だ。その越境手続きの円滑化の核となるのが、国境を接する2ヵ国が共同・同時に各種検査を行うシングルストップ検査(SSI)だ。

SSIの実施には、関係機関間の横断的な検査場(Inter−agency Control Station:ICS)を作り、さらにその中で共通検査エリア(CCA)を定め、関係両国の税関職員・出入国管理官・検疫官が集まって検査を行う必要がある。そのモデルケースとされたのが、東西経済回廊のダンサワン(ラオス)・ラオバオ(ベトナム)国境で、同国境では2005年以降、これまで3つのフェーズに分けて繰り返しCCAの試験運用が行われてきた。

2014年12月20日にラオバオ税関のドアン・クオック・チ副局長にヒアリングしたところ、2015年1月1日から同国境において最終的に第4フェーズとしてCCAの本格運用が開始されることが明らかとなった。

<輸入地側の税関で合同検査を実施>
ラオス・ベトナム両国財務省は2014年10月27日に取り交わしたダンサワン・ラオバオ国境におけるSSIの第4フェーズの実施に関する覚書の中で、以下のとおり定めている。

(1)税関申告書および付帯書類の提出、および通関手続きの実施は輸出地側ではなく、輸入地側の検査場で行う。
(2)貨物・車両の検査が必要な場合には、輸入地側の検査場に設けられたCCAで物理的検査を同時にもしくはほぼ同時に実施する。
(3)輸入地側の検査場で通関手続きが完了後は、貨物および車両はリリースされる。

チ副局長によると現在、ダンサワン・ラオバオ両国境の開庁時間は両国とも午前7時〜午後10時(昼休憩なし)で、365日3交代制で管理されているが、シングルストップ検査導入後も同様の開庁時間になるもようだ。また、ラオバオにおける検査場については新たに建物を建設しており、1月1日以降はベトナム側輸入通関の際、同施設にラオス側担当者も詰めることとなる。

建設が進む関係機関横断検査場(ICS)

<新通関システムで一層の円滑化に期待>
ベトナムではこれまでも輸入貨物をグリーン〔簡易検査(区分1)〕、イエロー〔書類審査(区分2)〕、レッド〔検査扱い(区分3)〕に分けて管理してきたが、日本の支援により導入された新通関システム「VNACCS」により、現在はシステムに入力された内容に基づき自動的に審査選定が行われている(VNACCSの概要は2014年1月21日記事参照。ラオバオ税関においては2014年5月18日にシステムを導入)。

チ副局長によると、これまでは別の電子通関システムに書類を添付するかたちで税関申告が行われていたが、VNACCS導入後はグリーンと判定された貨物については書類の添付が不要となったことに加え、システムの刷新による処理速度の向上もあり、通関手続きの処理時間が大きく短縮されたとのこと。またグリーンとされた貨物については、原産地証明書(CO)についてもシステム上にCOの情報を入力することで通関が可能とされている。

なおラオバオ税関では、グリーンの割合が5〜10%、イエローが80%程度、レッドが10〜15%となっている。イエローとされた貨物については駐車スペースに車両を止めて書類審査を行い、レッドとされた貨物については検査施設で貨物検査が行われている。またコンテナ貨物については審査区分によらず、X線検査の対象となる。

貨物検査場(右側建物)および駐車スペース(手前)
コンテナ貨物を検査するX線施設

<貨物量の増大に期待>
ラオバオ税関でのヒアリングによると、同税関で受理する通関手続き書類申請数は、2014年の平均で月350〜370枚となっており、主な輸入品目は木材、石灰石、ゴム、銅、電子部品など、輸出品目は食料品・飲料品などの日用品、建設用資材とされる。電子部品を除き基本的には農産物・鉱山資源のやりとりが中心となっており、工業製品の東西経済回廊を利用した運搬はラオス・ベトナム国境では広がっていないようだ。他方、越境物流を考える上で、通関手続きの簡素化は常に重要な課題とされてきた。今回の検査場設置により東西経済回廊の物流の増加が期待されるほか、東西経済回廊・南部経済回廊の主要国境においても早期の検査場設置が望まれる。

(蒲田亮平、佐藤進、柴田哲男)

(ラオス・ベトナム)

2015年中の施行に向け進む体制整備−越境交通協定の進捗(2)−

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