韓国統計庁が「北朝鮮の主要統計指標」を発表−主要国別品目別輸出入額なども新たに追加−

(韓国、北朝鮮)

中国北アジア課

2015年01月09日

韓国統計庁は、北朝鮮に関連した統計を国内外で収集し、南北間統計資料を併記した刊行物「2014年北朝鮮の主要統計指標」を発表した。この統計資料は、韓国が北朝鮮の経済や社会の実情などに対する国民の理解を深め、合わせて北朝鮮統計の体系的な管理を行うために、1995年から毎年発行している。今回は、北朝鮮の主要国別輸出入額などの統計データも新たに加わった。

<韓国語に加えて、英文も併記>
統計庁が2014年12月16日に発表した「2014年北朝鮮の主要統計指標」は、自然環境、人口、農林水産業など全体を14部門に区分けし、この中に131の統計を盛り込んだもので、公式統計をほとんど発表しない北朝鮮の実情を把握するためには貴重な資料といえる(表1参照)。

表12014年北朝鮮の主要統計指標の概要

統計庁は同日のプレスリリースで、今回発行した2014年版の特徴として以下の3点を挙げている。

(1)北朝鮮統計利用者が容易に利用できるように、市場経済、対外貿易、農業などの分野については、「北朝鮮統計説明・分析資料」を追加した。
(2)外国人がより簡単に利用できるように英文表記を併記した。
(3)北朝鮮の行政区域名、住宅の形態別世帯数、北朝鮮の主要国別品目別輸出入額を追加した。

<韓国は人口で北朝鮮の2倍、国民総所得では42.6倍>
統計庁は代表的な項目を取り上げて、2013年を基準とした南北比較を行っている(表2参照)。それによると、まず人口は北朝鮮が2,454万5,000人に対し、韓国は5,022万人で約2倍だ。また、北朝鮮の国民総所得(GNI、名目)は33兆8,440億ウォン、韓国は1,441兆1,000億ウォンで42.6倍の規模となる。1人当たり国民総所得は北朝鮮が138万ウォン、韓国が2,870万ウォンで20.8倍の開きがある。

鉱工業部門では、北朝鮮の粗鋼生産量121万トンに対して、韓国が6,606万1,000トンで54.6倍、セメント生産量は北朝鮮が660万トンで、韓国が4,729万1,000トンなので、韓国は北朝鮮の7.2倍の水準にある。

対外取引部門では、南北交易額を互いに含めないかたちでの貿易総額で、北朝鮮が73億ドルなのに対し、韓国は1兆752億ドルと、韓国が北朝鮮の146倍の規模に達している。

表2韓国と北朝鮮の主要統計指標比較(2013年基準)

(根本光幸)

(韓国・北朝鮮)

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