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時間を要するビザと就労許可証の取得・更新手続き−アジア主要国の就労許可・査証制度比較(13)−

(バングラデシュ)

ダッカ事務所

2014年09月26日

バングラデシュで外国人が就労するためには、EビザまたはPIビザに加えて、就労許可証(ワーク・パミット)の取得が必要となる。外国人の就労に厳しい制限を設けているわけではないが、ビザや就労許可証の取得と更新に時間がかかることや、バングラデシュ人の雇用義務、就労許可証取得のための最低給与の要件がある点には留意が必要だ。

<ビジネスに係るビザは3種類>
2007年4月4日の内務省通達〔No.Shaw Maw(Bohi−2)/P−7/2006/512〕によると、バングラデシュの査証制度は入国目的により33区分がある。区分には観光、ビジネス、学生、NGO、公官庁・外交、国際機関、報道記者などがあり、ビジネスに係るビザとしてはBビザ(Business)、Eビザ(Employees、Job/Service)、PIビザ(Private Foreign Investor)の3種類だ(表1参照)。

Bビザは、バングラデシュ国内に法人格を持たず、出張による業務を前提とした外国の民間企業関係者が主な対象で、例えば、代理店を通じた輸出や縫製品の調達業務など、バングラデシュでの就労許可証の取得を前提としない場合だ。

Bビザは短期滞在を目的としており、通常は6ヵ月有効のシングルビザか数次(マルチプル)ビザが発行される。ただし、長期間の出張が必要な業務に携わると認められ、かつ内務省の人物調査で問題がなければ、3年間までの延長が可能だ。また、投資庁(BOI)は積極的ではないが、より長期間の業務が必要で、しかも業務が法規制にのっとって適切に実施されていると認められた場合には、例外的に最長5年間まで延長が認められる場合もある。

一方、EビザとPIビザは、バングラデシュ国内に法人格を有する企業で就労する場合に取得する。Eビザは現地に法人格のある企業で雇用される従業員、PIビザは現地に法人格がある企業の役員以上(マネジング・ディレクター、ディレクター)が取得する。現地に法人格を有している必要があるので、会社登記を完了しているか、既に進出している企業で業務を行う外国の民間企業関係者が対象となる。

表1バングラデシュの主要な査証の種類

バングラデシュで就労するためには、EビザまたはPIビザに加えて就労許可証も取得しなければならない。それぞれの申請窓口は異なっており、ビザは移民パスポート局、就労許可証はBOIとなっている。ビザと就労許可証の目的は、入国し就労する外国人が適切かどうか審査するものだという点は共通しているが、就労許可証を取得するには国ごとの最低給与など詳細な情報が求められ、外国人の就労を厳格に管理する目的があると考えられる。

なお、初めて就労許可証を取得する場合の有効期間は1年間。Eビザ/PIビザの有効期間は最長3〜5年と明記されているが、就労許可証の有効期間に基づいて更新されるため、Eビザ/PIビザの有効期間も最長1年間となる。

ビザと就労許可証の取得については、ジェトロ「バングラデシュの投資手続き(2014年1月)」を参照。

<ビザの更新には想定以上の時間>
進出日系企業が直面している問題は、ビザの更新に想定以上の時間がかかることだ。Eビザの有効期間が通常3ヵ月しかないため、その期限内に就労許可証と異議なし証明書を取得しなければならない。しかし、特別警察や国家安全情報局の人物調査がなかなか実施されず、異議なし証明書の取得が遅れる事例が多数報告されている。人物調査に3ヵ月以上かかったり、催促すると賄賂を求められたりするケースがあるという。

ダッカ日本商工会(2014年7月現在67社加盟)は、BOIに対してビザ取得手続きの改善を求め、ワンストップサービスとして内務省などと連携して対応することを要望している。

<外国人駐在員の配置に現地人の雇用義務>
バングラデシュに外国人駐在員を配置する際には、バングラデシュ人の雇用義務に留意する必要がある。製造分野では外国人1人につきバングラデシュ人20人以上、商業分野では1人につき5人以上を雇用することが義務付けられている(注)。

この規制の背景には、深刻な失業問題がある。バングラデシュ統計局は、2010年7月〜2011年6月の失業率を4.5%と発表しているが、実態はそれ以上との見方が強い。外国企業の投資に対して、雇用を生むことが期待されているといえる。

<就労許可証の申請時には所得を申告>
就労許可証を申請する際には、所得を記載する必要があり、国ごとに月額最低給与が定められている(表2参照)。個人所得税の課税に当たっては就労許可証で申請した給与が参考にされる。

表2就労許可証の発行における月額最低給与(日本人の場合)

(注)外国人の就業については、外国人の雇用は経営陣を含め従業員の15%を超えてはならないとする規定もあるが、実務では本文記載のバングラデシュ人雇用義務が主たるルールとして適用されている。

(酒向奈穂子)

(バングラデシュ)

ビジネス短信 542254915f758

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