外国人労働者は原則カンボジア人の10%まで−アジア主要国の就労許可・査証制度比較(8)−

(カンボジア)

プノンペン事務所

2014年09月18日

カンボジアは外国人の就労許可・査証の発行に当たっては数量規制などの厳しい条件を課していない。しかし、就労許可証は毎年更新する必要があるほか、外国人雇用が10%以上となる企業は特例許可が必要となるなど労働法などの条件もあることから、事前に法的な解釈をよく理解した上で進出を検討することが必要だ。

<外国人労働者への就労制度は比較的緩やか>
カンボジアは外国人の就労許可・査証の発行に当たっては数量規制などの厳しい条件を課していないが、外国人労働者を雇用する場合には制限がある。雇用者は、カンボジア人に資格および専門知識を有する者がいない場合において、これらの経験を有する外国人労働者を雇用することができると規定しており(改正投資法第18条)、外国人労働者が就業するには次の要件を満たす必要がある(労働法第261条)としている。

○外国人労働者の就業条件
a.労働・職業訓練省発行の雇用カード(Employment Card)と雇用ブック(Employment Book)の保有。
b.合法的にカンボジアに入国していること。
c.有効な居住許可を有していること。
d.有効なパスポートを保持していること。
e.適切な評価と規律を有する者。
f.自らの職業をなし得るだけ健康で、伝染病を有していないこと。

外国人労働者に対する「就労許可証」(以下、雇用ブックと雇用カードを併せて、就労許可証という)の発行は、労働・職業訓練省の管轄となり、本就労許可を所持していなければ、外国人は就業することができないと規定されている(労働法第261条)。また、就労許可証は毎年更新する必要がある。

また、外国人労働者の「居住許可(1年間のマルティプルビザ)」の発行は、内務省の管轄となる。実務上、申請料と証明写真を内務省の担当部署に提出すれば、2014年8月現在では、1週間以内に取得可能で、就労許可と同様に毎年更新する必要がある。

2001年7月16日に公布された外国人労働者の就業に関する政令によると、雇用者はカンボジア人労働者の10%以下の数で外国人を雇用することを許可しており、10%の内訳は以下のとおりとなっている。

a.外国人オフィススタッフ3%
b.専門知識を有する外国人従業員6%
c.通常の外国人従業員1%

一方で、外国人労働者の比率が10%以上となる場合、労働・職業訓練省において従業員割り当て申請の際に、特例許可に関する手続きを経る必要がある。本政令によると、特例措置に関しては、外国人従業員の役割、専門知識、会社にとっての重要性を明確に証明することができれば、特別申請用紙の提出と追加費用の支払いが必要となるものの、労働・職業訓練省で比較的容易に取得することが可能とされている。

<就労許可の取得には3〜6ヵ月必要>
外国人労働者が、労働法上の制限および条件を満たす場合、就労許可証を取得することができる。

会社が雇用する外国人労働者について就労許可の発行を受けるためには、まず労働・職業訓練省に対して、会社設立宣言(Declaration of Company Opening)を行っていることが前提となる。会社設立に関する宣言証明書が受領された後、従業員割当表、就労許可発行申請フォーム、健康診断書や登録料支払いなどを済ませる必要があり、全ての手続きが完了した後、就労許可が発行される。

通常、就労許可の取得には、約3ヵ月から半年程度の時間がかかるため注意が必要だ。また就労許可は毎年更新しなければならず、毎年外国人登録料(100ドル)を支払う必要がある。

なお、ジェトロでは外国人の就労許可・査証なども含めた「カンボジア労務マニュアル」を作成している。進出を検討される際には参考にしてほしい。

(道法清隆)

(カンボジア)

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