10月から日本との「特許審査ハイウェイ」を試行

(マレーシア、日本)

バンコク事務所

2014年09月17日

日本の特許庁は8月28日、マレーシア知的財産公社との「特許審査ハイウェイ(PPH)」を10月1日から試行すると、ウェブサイトなどを通じて発表した。これでASEANでPPHを導入している国は5ヵ国となり、日本で特許可能と判断された出願について、これらの国での審査が迅速化するものと期待される。

<ASEANでは5ヵ国目>
新興国では特許審査官の不足など審査体制が不十分なことから、審査の遅延が問題となっている。日本の経済産業省によると、日本からマレーシアへの特許出願件数は2012年段階で1,248件あり、日本企業の生産拠点となっているマレーシアについても、出願から審査完了までの期間短縮を求める声が産業界から上がっていた。

こうした中、特許庁はマレーシア知的財産公社との間で、10月1日からPPHを試行することに合意した。これにより、日本で特許になり得ると判断された出願については、出願人の申請により、マレーシアでも簡易な手続きで早期の権利化が可能となる。

今回の合意について、特許庁でPPHを担当する審査第1部調整課審査企画室の小太刀慶明課長補佐は「ユーザーニーズを踏まえ、アジア新興国をはじめとしてPPHの対象国拡大に取り組んできたところ、今回の合意により、マレーシアがASEANでは5ヵ国目の締結国となった。わが国ユーザーの海外での事業活動を支援すべく、今後もPPHを推進していきたい」と述べ、引き続き同制度の推進に取り組む姿勢を強調した。

日本の特許庁がPPHを締結した国・地域は30となり、ASEANでは、シンガポール、フィリピン、インドネシア、タイ、マレーシアの5ヵ国となる。

日本の特許庁における発表はウェブサイト参照。

(大熊靖夫、澤井容子/アジア知的財産担当)

(マレーシア・日本)

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