保健省が出国時のポリオワクチン接種を義務化
アビジャン事務所
2014年07月16日
カメルーン保健省は6月25日付のプレスリリースで、2013年10月以降、国内でポリオが流行している状況を受け、同国への渡航者に対し、出国時のポリオワクチン接種を義務付けると発表した。
<野生株ウイルスの感染者が7人に拡大>
今回の措置はWHOの勧告に基づくもので、カメルーン国内からポリオウイルスが国際的に広がることを防ぐためのもの。WHOの発表によると、野生株ポリオウイルス1型の感染者が2013年10月に西部州で4人確認されたことを受け、政府がワクチンを無料化するなどして接種キャンペーンを展開していた。しかし、2014年1月には新たに北西州、アダマワ州、中央州でもそれぞれ1人の感染者が確認され、感染地域が拡大していることから、今回の措置に踏み切った。
<滞在期間めぐり混乱も>
首都ヤウンデの国際予防接種センター(CVI)およびドゥアラ空港内検疫所によると、カメルーン入国時のポリオワクチンの接種は推奨であり、義務化されてはいない。ワクチン接種希望者は空港内の検疫所で経口接種が可能で、イエローカードに接種記録が記載される。他方、出国時にはワクチン接種の確認が行われ、有効期限内の接種が確認できない場合は、空港内の検疫所で経口生ポリオワクチン(OPV)を2滴服用しなければならない。ワクチンの接種費用は1,000CFAフラン(約210円、1CFAフラン=約0.21円)。
なお、保健省のプレスリリースでは、出国時の接種対象をカメルーン国内に4週間以上滞在した者としているが、実際に運用を行っているCVIや空港内検疫所では滞在期間にかかわらず接種を義務化していると回答しており、運用面での混乱がみられる。
日本の厚生労働省検疫所でもウェブサイトを通じて注意を呼び掛けており、WHOの「国際渡航と健康」によるポリオワクチンの規定回数分の接種推奨について明記している。
(山田泰慎)
(カメルーン)
ビジネス短信 53c38f7760ec8