野生生物の使用・輸出入許認可手続きを簡素化−上海自由貿易試験区−

(中国)

上海事務所

2014年05月21日

国家林業局は中国(上海)自由貿易試験区内の企業に対し、野生生物の使用・輸出入の許認可手続きを簡素化した。これによって手続き所要時間は半分以下に短縮する。また、許認可申請の一括受理・審査制度の構築も検討しているという。

<手続き所要時間を半分以下に短縮>
上海市政府の発表によると、国家林業局は5月9日、上海林業局と「野生動物・植物行政許可事項実施委託協議」を結び、上海林業局に上海自由貿易試験区内の企業に対する一部の野生生物の使用・輸出入許認可権を正式に付与した。内容は以下のとおり。

(1)試験区内企業に対し、「中国野生動物経営利用管理専用標識」というリストにある野生動物の皮革製品、輸入したカニクイザルの実験用血清などの実験用材料の使用許認可権を上海林業局に委託する。これまでこの2業務の審査は国家林業局と地方の林業局それぞれが実施していたが、今後、試験区内企業は上海林業局で全ての手続きを済ませることができ、手続き所要時間は20営業日から10営業日に短縮する。

(2)試験区内企業にわに革の時計バンドなどの認証標識を交付する作業を上海林業局および同局が指定した組織に委託する。これによって標識交付の所要時間は30営業日から5〜8営業日に短縮する。

(3)試験区内企業に対し、国家林業局管轄の瀕危物種進出管理弁公室(以下、絶滅危惧種輸出入室)は「ワシントン条約(CITES)掲載種チェックリスト以外の国家重点保護野生生物および関連製品の輸出証明書」などの野生生物輸出入証明書の審査・交付作業を絶滅危惧種輸出入室上海事務所に委託する。これら申請書類の受理時間は5営業日から2営業日に、審査時間は20営業日から10営業日に短縮する。

(4)試験区内企業に対し、絶滅危惧種輸出入室が監督している絶滅危惧種以外の輸入木材について、複数回使用可能の生物種類証明書を申請することを可能にし、申請条件を撤廃する。

<申請の一括受理・審査制度も検討>
また上海市政府の発表によると、上海林業局と絶滅危惧種輸出入室上海事務所は共同で、試験区内企業を対象に、野生生物を輸出入する企業の信用評価システム、野生生物使用・輸出入許認可申請の一括受理・審査制度を構築することを検討している。

こうした一連の措置によって医薬品の研究開発、皮革品産業、花卉(かき)産業や畜産業などの国際貿易の促進効果が期待されている。

(文涛)

(中国)

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