上海自由貿易試験区、外資の通信業務参入手続きを簡略化
上海事務所
2014年04月28日
工業情報化部は、中国(上海)自由貿易試験区で外資系企業が付加価値通信業務に参入する際の手続きを簡略化した。また、外資企業参入の最終審査権は上海市に委譲され、審査期間はこれまでより3ヵ月ほど短縮されることになった。
<最終審査権を上海市に委譲>
工業情報化部は4月15日、「中国(上海)自由貿易試験区における外資系企業の付加価値通信業務投資の開放テストの管理方法」(「通信管理方法」、有効期間3年間)を公布し、「通信管理方法」の「政策解読」を発表した。
工業情報化部と上海市政府は1月6日、共同で「中国(上海)自由貿易試験区における付加価値通信業務のさらなる対外開放に関する意見」を公布した(2014年1月10日記事参照)。同意見により、同区内で外資系企業が参入できる付加価値通信業務(注)は区外の3分野から7分野に増え、うち5分野については外資出資比率の制限が撤廃され、外資100%出資企業の設立が可能となった。これを受けた今回の「通信管理方法」は、外資系企業の投資資格、投資手続きなどの詳しい管理方法を定めたものだ。
「通信管理方法」によると、付加価値通信業務への参入を申請する外資系企業は以下の6つの条件を満たさなければならない。
(1)同試験区内に設立された企業である。
(2)同事業に必要な資金と専門人材を持つ。
(3)長期的にユーザーにサービスを提供する信用性と能力を備える。
(4)登録資本金が100万元(約1,600万円、1元=約16円)以上である。
(5)必要な場所、施設、技術と通信ネットワークおよび情報の安全保障制度・措置を有し、うちサービスを提供する施設は区内に設置する。
(6)申請企業および同企業の主要投資者、主要経営管理者は過去3年以内に通信監督管理制度に違反した記録がない。
また、投資手続きも簡素化されている。「政策解読」によると、外資系企業の通信業務参入申請については、所在地域の省・自治区・直轄市の通信管理当局が審査・認可した後、工業情報化部が再び審査する手順だが、今後同試験区内では、上海市通信管理局が審査・認可すればよいことになった。
「政策解読」によると、審査期間も3ヵ月ほど短縮された。「通信管理方法」によると、上海市通信管理局は申請受理から5営業日以内に申請企業に対し必要な追加書類・内容修正を伝え、60日以内に審査結果を出さなければならない。
(注)通信業務は基礎通信業務と付加価値通信業務の2種類に分けられ、基礎通信業務は通信インフラ関連の業務、付加価値通信業務はコンテンツ関連の業務を指す。
(文涛)
(中国)
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