フィリピン向け日本産和牛の輸出が解禁へ−政府間の検疫協議終了−

(フィリピン)

マニラ事務所

2014年03月11日

日本とフィリピン両政府は、フィリピン向け日本産和牛の輸出に関する政府間の検疫協議を終了した。今後、日本国内の諸手続きを経て、フィリピンへの輸出環境が整う。日本食ブームが起きているフィリピンでは、大手高級スーパーマーケットや食肉卸業者から、日本産和牛の輸入と販売の早期解禁に期待が高まっている。

<岐阜・滋賀・宮崎・鹿児島県内の特定施設で処理した牛肉が対象>
和牛とは、日本の在来種をベースに品種改良を重ねた食肉専用の牛のこと。輸入が解禁されている国・地域は限られているが、世界的にもブランド牛として評判が高く、世界各国で解禁する動きが出ている。フィリピンにおいても従来、日本産和牛は輸出規制の対象とされていたが、日本とフィリピン両政府は、輸出解禁のための政府間検疫協議を重ね、3月11日、日本からのフィリピン向け和牛輸出に関する協議を終了したことが発表された。今後、日本国内の諸手続きを経てフィリピン向け輸出が開始される。

なお、フィリピン向け輸出に関しては、岐阜、滋賀、宮崎、鹿児島各県内の特定の輸出施設で処理された牛肉が対象となっている。具体的な輸出条件については、農林水産省のウェブサイトを参照。

<日本食ブームを背景に日本産和牛に期待が高まる>
フィリピンでは日本食が人気で、特にマニラ首都圏ではここ数年、ラーメン、トンカツなどの日本食レストランが増えている。こうした店では、輸入販売が許可されている米国産とオーストラリア産が使用されていた。大手高級スーパーマーケットや食肉卸業者は、日本産和牛の輸入と販売の早期解禁に期待を寄せている。

(塚尾大輔)

(フィリピン)

ビジネス短信 531d23d931510